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2006年1〜3月 第22号 |
■コメント |
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国際労働運動再編
2006年は国際労働運動の構造が大きく変わる年となるだろう。現在、新組織の誕生につながる、統一の動きが加速中だ。この新組織はITFが過去50年間緊密な協力関係を維持してきた国際自由労連(ICFTU)、主に「キリスト教の伝統」を持つ組合から成る小規模な国際労連(WCL)、およびこれまでどの国際組織にも属していなかった少数のナショナルセンターから構成される。
この動きはITFを含む10の国際産別組織(GUF)と、各国のナショナルセンターを代表する新国際労働組織とのさらなる関係強化につながるだろう。新組織の詳細やGUFとの関係はまだ決まっていないが、今後、国際・地域・各国レベルでより統合的なアプローチが取られ、グローバル企業や国際機関に対抗できる一枚岩の国際労働運動が展開されることが望まれる。
これは、新組織および他のグローバル・ユニオンのメンバーが各々の役割を明確に理解してこそ可能となる。もちろん、ナショナルセンターとの関係も忘れてはならない。
交通運輸がますますグローバル化のプロセスの中心を担うようになる中で、ITFとその加盟組織は国際労働運動全体を強化するために主要な役割を果たすことが求められている。これはつまり、全ての民主的な交通運輸労組をITFの傘下にまとめなければならないことを意味する。また、グローバルな組織化を実現するために、グローバル・ユニオンの他のメンバーと引き続き連携する必要性をも意味する。
一方、国内労組はグローバル経済の中の労働者のニーズに応えられるよう、伝統的な組織基盤や活動手法を必要に応じて見直す必要があるだろう。組合が既存の組織基盤を維持しつつ、新たな労働者グループを組織するのをITFがどうやって支援したらよいか、この問題を幅広く、かつ創造的に検討するのが2006年にダーバンで開催される第41回ITF大会だ。ダーバン大会では、ITFが産別を超えて、あるいは他産業との連携を通じて、より統合的に活動を展開するにはどうしたらよいかの議論もなされる。
最近、米国の複数の組合が組織化に関する意見の違いをめぐって、ナショナルセンターの米労働総同盟産別会議(AFL-CIO)を脱退する決定をしたことや、世界の主要労組が国際活動はもはや選択肢の1つではなく、国内における組織活動の中心的要素だとの理解を強めていることは、今日の国際労働運動が直面している大きな課題を示している。われわれは、産業地図が急速に塗り替えられる中で、労働運動の足場を失わないように、政治的、社会的、および組織化に関する巨大な課題と日々格闘している。 |
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