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2006年1〜3月 第22号 |
■読者の声 |
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国境の自由化
私たちの組合員は、スウェーデンがEUに加盟して以来、中でも、98年にEUでカボタージュ(国内輸送)が規制緩和されて以来、国境の自由化によって極めてマイナスの影響を被ってきた。今日においても、カボタージュのルールは解釈の余地が大きいため、市場に混乱をきたしている。つまり、市場も政府もどのルールに従ったらよいのか、よく分かっていないのだ。政府は市場の管理・監督に四苦八苦している。
一例を挙げよう。ドイツのリドル社がドイツの企業とドイツ人運転手を使ってスウェーデン国内の店舗間の輸送業務を行っているとして、スウェーデンの運輸業界団体が警察に訴えた。すると、警察からは「ルールが複雑すぎて刑事訴訟を起こせない」という答えが返ってきたのだ。
市場シェアをめぐる競争は激化し、企業はあらゆるコスト削減を迫られている。このことは労働者にとって、ストレスの増加、休息・労働時間・交通規則の不履行を意味する。もちろん、スウェーデン人運転手の雇用削減にもつながる。しかし、これらを証明する統計を入手するのは非常に困難だ。
FK(スウェーデン)
マーカス・ピーターセン
EU域内の国境自由化の影響を完全に述べることは今のところ不可能だ。労働市場の自由化に関しては、中東欧等10カ国の新規加盟によって、過渡期に入った。しかし、加盟国間に存在する大きな賃金格差は鉄道産業においても雇用への圧力をもたらすことが予測される。
国境の自由化は、鉄道会社にとって国際輸送業務を加速化させる新たな機会でもある。しかし、これまでのところその成果は限られている。各国の鉄道の相互運用性が欠如していること、新規加盟国のトラックの参入が可能となったことなどは、トラック産業の方が鉄道産業より国境自由化の恩恵を被っていることを意味している。また、国境の両側の鉄道会社で、主に顧客サービス、技術管理、貨物輸送等の仕事が減った。自由化の影響を受けた企業を対象とする調査の結果を見ると、オーストリアよりもハンガリーでより多くの雇用が失われているのが分かる。
国境が完全に開放されたときに備えるためにも、オーストリア鉄道労組(ARWU)はこの労働市場変革の過渡期(最大7年)をうまく活用しなければならない。
GDE(オーストリア)
ハラルド・ボイトル
国境付近で貨物の運送が滞ると、運送契約が取り消されたりして、運送会社は大きな打撃を被る。
一方組合は、組合員が国境付近で長時間待たされたりすることのないよう、政府に圧力をかけている。2004年、わが組合はベイトブリッジで国境封鎖を行い、南アフリカ、ジンバブエの両政府に国境付近の遅延緩和策を講じることを約束させた。
不正行為や麻薬の取締りを中心に法律面も改善された。南部アフリカ開発共同体(SADC)全域に適用される共通の様式も導入された。既にワルヴィス・ベイ(ナミビア)−ゴーテンのカラハリ回廊や、マーチンズ・ドリフト−ボツワナでこの様式が義務化されている。
しかし、この様式は以前のものに比べて長いという欠点がある。税関当局は現在、電子通関システムの導入を計画している。導入されれば、トラックはもっと素早く国境を通過できるようになるだろう。これらの対策が労働側の全面的な関与なしに実施されているのは残念なことだ。
SATAWU(南アフリカ)
アブナー・タブディ・ラマグコロ
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組合員数の減少にどう取り組むか?
近年、特に先進国の組合で組合員数が毎年減少している。減少傾向に歯止めをかけるために、組合はどのような戦略をとったらよいか?
あなたの意見を2006年1月31日までにまで。 |
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