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2010年01〜03月 第38号
■組合の運動で港湾労働者の安全が改善
 
組合の運動で港湾労働者の安全が改善

「ついに港湾労働者がコンテナ船のラッシングの安全に関する基準を手に入れた」とアルバート・ル・モニエールは語る。

コンテナ化が始まってから50年にもなる。コンテナ輸送の増加に比例して、一般貨物の取り扱いは減少していった。ごく最近の統計では、2憶万本余りのコンテナが船から港湾へ、また港湾から船へと、約6億回も行き来している。その多くは、コンテナ専用船で世界中に輸送される。
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コンテナ船上でのラッシング問題とは?

甲板でのラッシング作業時に、港湾労働者が負傷したり死亡したりする事故が後を絶たない。国際荷役調整協会(ICHCA)は、最近、国際的な調査を実施し、その結果、コンテナ港湾施設で起きた事故の31〜40パーセントが船上でのラッシング作業時に発生している、結論づけた。
しかし、驚くかもしれないが、国際海運のあらゆる問題を扱う国際機関、国際海事機関(IMO)のレベルにおいて、貨物の積み付けと固定に関する安全実施基準(CSSコード)に、この問題を追加しようという暫定的な合意ができたのは、ごく最近のことだ。
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港湾労働者にとっての安全衛生とは?

船舶は大抵、コンテナを置くためのスペースを最大限に取るように設計・建造され、ラッシング作業の安全性や効率は考慮されない。ハッチの外縁に人が立つスペースすらない場合もある。ラッシング作業員は宙に浮いて作業をしろ、とでもいうのだろうか。
作業スペースがあったとしても、港湾労働者が海や甲板、埠頭に転落するのを防止するための防護柵がなかったり、柵があっても破損している場合もある。
重さが30キロもあるラッシングバーがコンテナのコーナーフィッティングから外れてしまうなど、ラッシング機器の設計が誤っている場合もしばしばある。
セミオートロック式のツイストロックがコーナーフィッティングから外れて落下することも多く、機器の設計ミスや保守不備により、その真下で働いている港湾労働者を大きなリスクをさらすことになる。
夜間にクレーンが別の埠頭で稼働している場合は、ラッシング作業員が真っ暗闇の中で作業しなければならないこともある。
業務の一環として、冷凍コンテナの電源プラグの差し込みも行わなければならないが、コンセントの設計がまずかったり、メンテがなされていなかったりすることも多く、ラッシング作業員は常に感電死する危険にさらされている。
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よりよい安全条項を盛り込むためにITFと加盟組合が展開した運動は?

港湾労働者のための新たな安全条項の盛り込みを達成するにあたっては、港湾労組が主要な役割を果たした。
コンテナの安全確保は、ITF港湾部会総会や部会委員会でも、最優先事項として認識されてきた。
カナダの西海岸や英国のフェリックストウ港で実際に毎日こうした問題に直面しているベテランのラッシング作業員やフォアマンなどから、直接情報を収集した。
ITFは、この問題を、IMOの諮問グループの国際安全パネルを通じ、IMOに提起した。
現場の港湾労働者から得た情報が直接、CSSコードの新しい付録の文言に使われた。賛否両論がある問題については、当該小委員会に参加したり、IMOに書簡を送るなど、より一層の啓蒙活動が必要だった。
また、写真などもたくさん活用し、作業部会で荷役機器の不備とその危険性について説明した。
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どのような解決策が見つかったのか?

安全衛生は、コンテナ船の設計段階から始まっている。英国のITF加盟組合が、ITFを代表し、この問題を国際海事機関(IMO)の海事安全委員会に提起し、本件を議題に含めさせた。
ラッシングに関する新しい安全コードには、船の設計に関する詳細な条項が含まれており、これにより、コンテナ処理作業時の安全性が高まる。
船舶の構造を大きく変えることを要件としないデザイン規定は、コード承認から1年後の2011年5月に発効する。新造船だけが適用を受ける構造要件は、2015年1月1日より発効する。
同コードはまた、作業面や保守面の安全にも目を向けている。
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組合は今後どのような役割を継続的に果たせるか?

組合は、コードに規定された作業面および保守面の手順をモニタリングする役割を果たす必要がある。同コードは船舶とターミナル・オペレーターの両者を対象としており、ラッシング作業を開始する前の船舶の事前検査が要件となる。
この事前検査のプロセスには、組合も全面的に参加するようにしなければならない。また、不備のある荷役設備を保管しておく場所も必要になるはずだ。
ラッシング作業員の訓練や習熟プログラムも、もちろん実施されるべきだ。新安全コードには、ラッシング作業の安全性を確保するため、必ず二人体制で行わなければならないと書かれている。これも、組合がモニタリングしなければならない点だ。
同コードは、2010年5月に行われるIMO海事安全委員会での承認を待つだけになっている。承認される可能性は高いが、それでも、確実な承認へ向けての努力を怠ってはならない。
今後、国際安全パネルでは、以下の通り、安全に関する様々な協議が行われるため、港湾労組には、ぜひ積極的に関与してもらいたい:
コンテナの安全のための条約:これにより、現在は情けないほど欠陥だらけのコンテナ検査制度が強化されることを期待する。
木材甲板積み貨物船:現在、再検討されているので、注意する必要がある。
港湾労働者のための訓練条約:国際労働機関(ILO)が、間もなく同条約作成準備を開始する。
コンテナの積み付けガイドラインの見直しも、間もなく開始される。
これらの取り組みは、全て直接港湾労働者の安全に関わってくる。作業は、ほとんどが電子メールのやり取りで行われているため、加盟組合もITFを通じて協議のプロセスに直接参加することが可能となる。ITF港湾部会・安全委員会と連絡を取り、この作業に参加してくれるよう、全てのITF加盟港湾労組にお願いしたい。
CSSコードにラッシングに関する新しい安全コードが付録としてつけられたこと自体が、港湾労組とその組合員にとっては大きな前進だが、活動はこれで終わったわけではない。ここからスタートする。
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アルバート・ル・モニエールはILWUカナダの第3副議長。IMOの諮問グループである国際安全パネルに、ITF港湾部会を代表してル・モニエールが参加することが港湾部会で承認された。
詳細な内容

コンテナのラッシングに関する新しい安全コード「コンテナ固定に関する安全作業環境指針」は、貨物の積み付けと固定に関する安全実施基準(CSSコード)に付録として付けられる。
同指針は、国際海事機関(IMO)の危険物・固体貨物・コンテナ小委員会(DSC)で合意された。
14ページにわたる付録では、以下の分野を包括している:
1. 作業の目的、範囲、定義、一般的な責務を含む、初期段階での説明。
2. 作業区域へのアクセス、ラッシング作業場の設計、ラッシングのシステム設計、照明ガイドライン、冷凍コンテナの電源プラグなどに関する詳細な設計基準。
3. 作業と保守に関する手順。
付録は、あらゆる労働者が職場に安全にアクセスし、安全な機器を用い、安全に働けることを担保するため、甲板にコンテナを積むように設計された全てのコンテナ船に適用される。
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組合の運動で港湾労働者の安全が改善
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