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2010年01〜03月 第38号 |
■対外的イメージ |
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対外的イメージを向上させる
ザンビアの労組がラジオ出演する機会を得たとき、組合員のイメージが良くなって一般の人とも通じ合うようになり、組合員数の拡大につながった。
2009年1月、ザンビアのバス・タクシー労組(ZBtwU)は、国営放送局のラジオ番組に出演の依頼を受けた。一般市民は、ドライバーの危険運転や飲酒運転をなくすために、どうすればいいかについて関心を持っていた。
45分間のインタビューで、ZBtwUの代表は、劣悪な労働条件と訓練不足、賃金、医療保険、年金などについて説明した。また、会社の採用・解雇方針、未整備な道路、車両修理に必要な部品を探すときの苦労、警官の嫌がらせなど、ドライバーが日々直面している問題について語った。
このインタビューに対する人々の反響は大きく、同放送局は、週1回の新番組として放送することにした。毎週火曜日の午前8時15分から9時まで、労組幹部が2人、スタジオに座って一般聴取者からの質問に答える形式だ。やがて、番組は毎回、ドライバーに関する具体的なテーマに焦点を当てるようになった。それぞれの回のテーマが関連性を持つように、あらかじめ、その日のテーマを決めるようになった。
この焦点を絞ったアプローチによって、労組は現場の状況を分析するようになり、ドライバー、一般市民の双方が啓蒙された。スタジオには、その他の関係者も加わるようになり、社会保険や労働協約、hiV/エイズなど具体的な問題について、パネルディスカッションを開くこともあった。
インフォーマル・セクター(非公式部門:開発途上国にみられる経済活動において公式に記録されない経済部門)で働くドライバーは、自分の事情や不満について発言するフォーラムとしてこの番組を熱心に利用するようになった。こうしたドライバーは、労組のサポートを歓迎し、組合員数は拡大し始めた。特に同国の銅山労働者の組合加入数の増加は顕著だった。番組を通じて、労組と会社との関係も良くなり、新たな労働協約の締結へと発展している。
放送開始後、約1年が過ぎようとしているが、この週に1度放送される番組は依然として人気を保っている。毎回、15人まで電話で参加し、問題を提起している。番組は、来年以降も継続する予定である。
ドライバーは、一般市民と効果的にコミュニケーションを取るようになり、これまでのマイナスイメージを払拭しつつある。労組は一目置かれるようになり、乗客と労働者のために交通運輸部門の状況改善に意欲的に取り組むようになった。
(マケル・コッサ記) |
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60秒ガイド
メッセージを伝える
ザンビアのバス・トラック労組(ZBTWU)は、一般市民と心を通わせ、業界についてのイメージに影響をもたらすことができた。これは、非常に重要なことである。タクシードライバーのイメージを良くするだけでなく、既存および潜在的な組合員とも連絡を取り合うことができた。
労組は、ラジオ番組で、交通運輸業界の労働者が抱えていると思われる問題について話をするよう依頼された。労働組合は、しばしばストライキなど、仕事のマイナスイメージについて質問される。ZBTWUは、ドライバーに反感を持つ人々と進んで向き合おうとした。そして、このことにより、人々が、これまでとは違った視点で労働者を見るきっかけとなった。
聴取者と触れ合い、聴取者が関心を持っているトピックスについて話し合うことによって、ドライバーに持たれがちな悪いイメージから離れ、議論が新しい分野に発展して行った。 |
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