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2004年7月 第16号
■今月のニュース
 
海運

ダブルハル(二重船殻)強制規則の取り消し


国際海事機関(IMO)は、2007年以降に建造されるバラ積貨物船のダブルハル化を義務づけるという英国が率先して展開してきた運動を認める決断をしていたが、5月に入り、前回の決定を反故にすると発表した。ITFは、このIMOの異例とも言うべき後退を非難している。
ITFのデビッド・コックロフト書記長は、「未だに人間の生命よりもコスト削減を優先させようとする人間や国家が存在することは、ショックであり、悲しむべき事だ」と述べ、前回の決定(MSC76)を反故にしようとする動きを「船員に対するひどい仕打ちであり、ばら積船で亡くなった人々への裏切り行為」と呼んでいる。
「ダブルハル構造にすることで、ばら積船の安全性は、近代タンカーと同レベルまで改善できる。しかし、タンカーでは義務付けられているダブルハル化がばら積船には義務付けられていない。何故だろうか?それは、船主にとっては、オイルが流出する方が、船員が死ぬより高くつくからだ」とコックロフト書記長は述べている。
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ペテン師再び現れる

ITFは、求職中の船員に対し、実在しない職を得るために料金を支払うようなことがないよう、警戒を呼びかけている。
ウガンダの新聞、モニター紙が「客船、5,000人のウガンダ人船員を募集」という求人広告を掲載したため、ITFが警戒を強めている。同紙によると、ウガンダの関係当局は、ITFが2003年にケニアなどで暴露したアル・ナジャトの就職斡旋詐欺(www.ift.org.uk/itfweb/media/releases/270902.htmを参照)との共通点が見られることから、この求人広告に疑いを持っている。
「引き続き、ウガンダから詳しい状況を得る必要があるが、一つ言えることは、海の仕事を得るために金を支払う必要があるはずはないということだ。夢のような仕事を手に入れるためにいくらか支払わねばならないなら、その仕事自体が夢だと思った方がいい」とITF特別船員部(SSD)のスティーブ・コットン部長は述べる。
ITFの調べにより、以下の業者は全て詐欺業者であることが分かっている。:シークルーズ・エンタープライズ、レッドフラワー・クルーズ、ロータス-フリート斡旋事務所、アル・ナジャト・マリーン・シッピング、カレドニアン・オフショア(現在、中米を中心に、一見もっともらしいが完全に偽りの住所、広告、ウェブサイト(www.caledonianoffshore.com)を使用して暗躍中)。
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