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グローバルユニオン

2007年10〜12月 第29号
■HIV-エイズ
 
HIV-エイズと闘うカリブ地域の組合

カリブ地域のITF加盟組織のHIV-エイズ活動についてシェド・アジフ・アルタフが語る。

6月にガイアナで開催されたHIVと交通運輸に関するITFセミナーにカリブ地域の加盟組合から大勢が参加した。この地域の加盟組織はHIV-エイズ対策に労働組合が果たすべき役割について理解を深めており、意識啓発の機運も高まっている。最近、カリブ地域の感染率は上昇している。同地域は他の地域に比べて若者が性交を開始する年齢が低いことが報告されている。
6月のITFセミナーの主な目的はHIV-エイズ問題を労働組合の視点からとらえ、職場での取り組みを検討することだった。参加組合が関係組織と協力しながら、HIV-エイズに関する職場の方針を策定したり、団体協約を締結したりするのを支援するのもねらいの一つだ。
HIV-エイズと言えば、現在、深刻な状況に陥っているサハラ以南のアフリカに関心が集まっているが、他の地域の国々もそれぞれが直面する課題に取り組んでいかなければならない。カリブ地域の感染率は現在、2%だ。これはつまり、50人に1人が感染していること意味する。若者はHIVがどのように感染するのかについての知識は豊富だが、それが行動にはつながっていない。
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率直な要請

セミナーで開会の挨拶を述べたガイアナのレズリー・ラムザミー厚生大臣は1987年に同国で導入されたHIV-エイズ予防・治療計画の進展状況について語った。特に、ガイアナでエイズ薬が感染者に無料で提供されている状況などを報告した。しかし、厚生部門だけでHIV-エイズと闘うことには限界があり、他組織との連携が不可欠であると述べ、労働組合は職場でのHIV-エイズ政策の立案や、組合員やその家族に対する教育・啓蒙活動の推進に関して重要な役割を果たすことができると指摘した。
また、大臣は、ITF、国際労働機関(ILO)、その他、さまざまな分野でこの問題に取り組んでいる団体との協力を呼びかけた。HIV-エイズに関する議論や調査・研究の質も大きく変わっているという。簡単に手に入れられる予防具の開発(例えば、ワクチンやクリームあるいはジェル状の膣殺菌剤など)も行われており、コンドームの使用や安全なセックスについて交渉できる立場にない人も予防策を講じることができるようになるという。
ラムザミー大臣は労働組合が男女平等の取り組みを強化するよう、率直に要請した。これなくしてHIV-エイズ問題の解決は現実的には進展し得ない。
カリブ地域の社会は多様性に富んでいるが、リスクの高い性行為に目を向けてこなかったという共通点がある。その結果、職場にもHIV-エイズの悪影響が現れてきたと言えるだろう。
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経験を分かち合う

セミナーのグループワークではカリブ地域のHIV-エイズ問題についての情報交換が行われた。主な動きとして、カリコム単一市場経済(CSME)による、人の自由な移動に対する障壁の除去がHIV-エイズの蔓延に影響を与えている点が指摘された。
セミナー参加者は組合活動家あるいは交通運輸労働者として、労使双方の利益になる職場方針の策定について検討し、このような職場方針を全ての団体協約の中に盛り込むべきだという点で意見の一致をみた。労働者の権利や公正な処遇の問題について集中的に議論したほか、HIVに感染した労働者が仕事を続けられるように、感染者の支援方法にも焦点をあてた。
ITFは職場のHIV-エイズケアサービスへの普遍的なアクセスを促進している。と同時に、深く根付いた政治・経済・社会問題がHIV-エイズ問題のあらゆる側面を複雑にしていることも認識している。
HIV感染の悪いイメージの克服、健康的な労働条件の交渉、男女平等の実現、これらは皆、労働組合が労働者やその家族、若者に手を広げる運動の一環としてとらえられなければならない。新しく、困難な問題に立ち向かうには、既存の領域から脱しなければならないこともある。労働者の利益を真に代表するためには、労働者の利益を組織化戦略の中心に据えて活動していく必要がある。HIV-エイズは全ての人の関心時だ。
セミナーが終わる頃にはHIV-エイズに関する職場方針の策定にかける参加者の決意は明らかに揺ぎ無いものとなっていた。ITFも引き続き加盟組織と共にエイズ禍と闘っていく覚悟を新たにした。教育、キャンペーン、カウンセリング、検査、電子メディアなどを通じて、予防、治療、支援のメッセージを伝えるために、われわれ一人ひとりができることを少しずつ行っていくことを約束した。
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シェド・アジフ・アルタフはITFのHIV-エイズ・プロジェクト・コーディネーター。
カリブ地域のHIV-エイズセミナー

バルバドス公務員労組(BMUPW)
デレック・アレイン書記次長

広い川に恵まれた土地、雨の中で一層輝きを増すカイエツール滝。金、ボーキサイト、エメラルド、銀などの鉱石が商業を呼び寄せる。人々の心は喜びであふれている。そんな国、ガイアナで今回のHIV-エイズセミナーは開催された。

セミナーのテーマは「行いを変える」というものだった。カリブの諸島から、さまざまな文化・背景を持つ、異年齢の男女が参加し、HIV-エイズへの取り組みを約束した。

このセミナーから発せられる、シンプルで誰にとっても分かり易いメッセージ、「HIV-エイズは命を奪う(HIV/AIDS is the killer)」に、参加者はHIV-エイズ撲滅計画を策定する任務を感じ取った。

カリブ地域や世界の統計、経済・個人・家族への影響、検査方法、個人的な予防方法、エイズ患者に対する偏見・差別の除去などについて話し合った。

4日間におよぶグループワークでの事例研究を通じて、知識を身につけ、それを実行に移す術を学び、地域の協力者との絆も深めた。課せられた使命を新たにし、実行への準備を整えた。

セミナーを終え、参加者に別れを告げ、帰路についた時もセミナーで話し合われた内容を忘れることはなかった。コンドームは適切な時に正しく使用すれば安全であるが、禁欲やパートナーを一人に絞ることもHIV-エイズ撲滅に効果的であることを思い出していた。
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