2007年10〜12月 第29号 |
■読者の声 |
|
|
港での船員福利サービスについて
訪船
■カリブ海やアメリカを航海しているが、カリブ海では上陸の機会はなく、アメリカではとても忙しい。孤独感を解消するために、誰かに訪船してもらいたい。「元気?」「ここでの生活はどう?」「何か問題はない?」と声をかけてもらえれば、とても安心する。一航海に21日かかるが、その間に外出する時間は全くなく、働いて、休憩するだけだ。そしてまた別の港から出航する。港にいるのはたった4時間だ。外出するにはタクシーをつかまえて、またすぐに戻ってこなければならない。訪船してくれる人が必要だ。
■われわれ乗組員にとって、ミッションの訪船は非常に重要だ。彼らは本当にありがたい。精神的なことや、個人的な問題を語ることができる。彼らと話していると安心する。家族と離れて暮らしている空虚さを満たしてくれる。 |
|
|
船員センター
■船員センター、特に米国の船員センターは船員にとって有益だ。インターネットも無料で利用できる。乗船のストレスを解消するために船員センターに行くのが好きだ。
■港に船員センターがあることは重要だ。電話をかけられるのが何よりもうれしい。他の船の乗組員と会うこともできる。
■オーストラリアの港が最高だ。人々は親切で、友好的だ。情報もくれる。
■ブリストル港(英国)が好きだ。公衆電話がたくさんあるからだ。 |
|
|
港の情報
■港の情報は港湾労働者から得たり、船舶代理店から得たりするが、過去に寄港経験のある乗組員仲間から得ることもある。
■ロッテルダムでは地元のフィリピン人たちが車を出してくれた。彼らの店で買い物をし、飲み物を注文するという条件付きだったが。 |
|
|
Eメール
■船内でもEメールをすることはできるが、船長の許可がいる。ジュニア・オフィサーは許可をもらえる時ともらえない時がある。シニア・オフィサーはいつでももらえる。
■われわれのキャプテンは非常にいい。1週間に4回、Eメールをさせてくれる。
■船内のEメールも利用できるが、非常に高い。20ドルのインターネット・カードを購入しなければならない。
■船内のEメールは利用できない。業務用とされている。 |
|
|
電話
■48日間に15港に寄港したが、家族に電話できたのはフェリックストー港だけだ。港内に公衆電話があったからだ。船内電話は三等航海士でも利用できない。衛星電話は非常に高い。
■私は携帯電話を使っている。国際ローミングSIMカードを持っている。米国の港では公衆電話を利用するが、他港ではお金はかかるが携帯電話が唯一の手段だ。
■衛星電話がいい。スマートリンクもいいが、アジアの一部でしか利用できないので、アジア以外ではEメールを利用している。 |
|
|
上陸
■上陸は非常に重要だ。上陸パスを所持している時のみ、船内の問題を忘れることができる。家族にも電話できる。あれこれ指図する人は誰もいない。上司もいない。私の大好きな時間だ。
■現在の航海契約中に上陸できたことは一度もない。港ではいつも非常に忙しい。唯一、日本の主要積荷港で一泊できたが、ゲートは全て閉鎖され、船内に閉じ込められていた。夜間に非番でも外に出ることができない。こんな状態が現行契約中に2回もあった。
■われわれの船は韓国−欧州間を航海している。ウルサンが積荷港で、夜間に車両を積み込む。ウルサンに寄港する時は上陸休暇をもらえるが、それは2ヶ月に一度だ。つまり、8週間に一度しか上陸休暇をもらえない。
■現在の契約中、上陸できたのは1回だけだ。仲間の乗組員と二人で出かけ、港の警備員に2時間でどこに行けるかと聞くと、ゲートのところから車が出るという答えだけが返ってきた。指示された場所に行ったが、何もなかった。仕方がないので周辺を散策した。2時間、ただ歩き回った。目新しいものは何もなかった。歩いて、歩いて、そして船に戻ってきた。 |
|
|
英国の国際船員リサーチセンター(SIRC)のエロール・カーベッチの報告書「港湾の船員福利サービス:2007年度報告の大要」から抜粋。この報告書の入手はITF船員トラスト()へ。ITFのホームページからもダウンロードできる。() |
|
|