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2004年1月 第14号 |
■今月のニュース |
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路面
ITF路面運輸行動日
世界各地で活発な活動
ホンジュラス政府は職業運転手の労働時間に関する新たな規制を発表した。これは、職業運転手労組のSINAMEQUIPHが2003年10月13日のITF路面運輸行動日にデモを行うなど、根強いロビー活動を展開した成果だ。
他のITF加盟労組と同様に、SINAMEQUIPHは「疲労は命とり」のメッセージを力説し、それが功を奏した。発表どおり規制が実施されれば、運転手の労働時間は1日最長8時間となる。
10月13日の路面運輸行動日には、世界65ヵ国で25万人以上のトラック、バス、タクシーの運転手が労働時間短縮を訴えて活動を繰り広げた。
スペインのフランスおよびポルトガルとの国境付近では複数の組合が合同活動を展開し、交通が麻痺した。グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルでも国境付近で合同デモが展開された。モンゴル、ドイツ、スウェーデン、タンザニアでも全国的な活動が行なわれ、日本、マレーシア、ガーナ、スペイン、コスタリカでは、初めて港湾労働者と協力した活動が行なわれた。
浦田誠ITF内陸運輸部長は「全世界の労組が合同で活動することで、これまで様々な改善がなされてきた。しかし、労働条件が劣悪な国や規則を廃止したりする国は多く、やるべきことは多い」と語った。 |
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米スクールバス市場で展開される反労組戦略
アメリカの道路輸送やスクールバス事業のシェアを求めて、民間会社が反労組戦略を展開している。
スティーブ・エドワーズ著
2003年7月にアメリカのスクールバス280路線の契約(1200万ドル)を獲得したファースト・グループ(イギリス)は、ミネアポリス教育委員会が採択した、親労組的な決議に対して裁判を起こした。
この決議は、国際サービス労組(SEIU)第284支部がアメリカ労働総同盟産別会議(AFL-CIO)の協力を得て何ヵ月にも及ぶ運動を展開した成果で、民間会社がスクールバス事業に参入する場合の社員の組合権を保障したものだ。また、1ヵ月以内に組合が承認投票を行う権利も認めている。なお、この期間中、組合は争議行動を起こさないこととなっている。
SEIUはこの裁判費用の調達に苦労している。
ファースト・グループは2003年後半にコーチUSAの長距離バス部門をステージ・コーチ(イギリス)から買収し、事業を拡大してきた。ステージコーチ(イギリス)は1999年に同部門を高値で買収したが、その後、財政難に見舞われていた。
コーチUSAの他の部門は、他のバス会社、管理会社、ベンチャー投資会社等、さまざまな買い手に渡っていった。現在、コーチUSAが保有しているのは、ニューヨーク、ニュージャージー、シカゴの採算性の高い通勤路線だけだ。これらの買収劇が組合員にどのような影響をもたらすかはまだ分からない。
北米で反労組的な態度をとり、本国イギリスでは組合を認知し、交渉・協議を行っている会社はファースト・グループだけではない。ナショナル・エクスプレスの子会社であるダラムスクールサービスも米労組の批判の的となっている。両社とも全国労働関係委員会(NLRB)の聴聞会に召集された。
米国州・郡・市職員同盟(AFSCME)はミルウォーキー州のダラムスクールサービスのターミナルと、大手スクールバス会社、レイドローに外注された2つのターミナルで組合承認投票に勝利したところ、ダラムス社は定期昇給の停止と運転手のバス帰宅の禁止という行動に出た。
AFSCMEは両社を労働法違反で訴えたが、両社は当該スクールバス事業の競争入札で不当な高値で入札し、わざと失敗してみせた。
州教育委員会はAFSCMEと地域社会から圧力を受け、入札をやり直すことにした。レイドローは入札に参加し、2つのターミナルを請け負うことに合意したが、組合との協約改悪を条件とした。一方、ダラムは入札への参加を拒み続けているため、ターミナルは閉鎖されたままだ。
全米トラック運転手組合(チームスター)もダラムとのトラブルに直面している。カリフォルニア州のリバーモアとヘイワード(2001年6月)、ミズーリ州のセントルイス(2001年1月)で、組合承認投票に勝利したにもかかわらず、ダラムはチームスターとの交渉を拒否し、初の協約締結を先延ばしにしている。
この先延ばし戦術はもう2年間も続いている。セントルイスでは会社側が組合認知撤回などの反労組運動を展開したが、チームスター第610支部や本部国際戦略キャンペーン部を中心とする組合員の努力で、2003年9月の組合投票では77票対34票で認知撤回は拒否された。 |
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国際的なキャンペーン
チームスターは国際的なキャンペーンを展開し、ITF、イギリスやオーストラリアの組合に支援を呼びかけた。すると、世界各地から連帯のメッセージが寄せられた。
最近では、テキサス州のエルパソで抗議集会が実施された。(テキサス州には 米国ナショナル・エクスプレスの社長、ラリー・ダラムが財政支援をしているサッカー場がある。)チームスターは地域住民の間に、ダラムスクールサービスが従業員にひどい扱いをしているという認識を高めることができた。また、あるサッカー試合中に「ダラムは子供の安全を軽視している!」という横断幕を掲げた飛行機を上空に飛ばし、スクールバスの劣悪な保守体制に抗議した。 |
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スティーブ・エドワーズはITF都市交通多国籍企業委員会の顧問 |
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