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2004年1月 第14号
■港湾労働者の勝利
 
港湾指令却下で港湾労働者が勝利

2003年11月、欧州港湾の自由化を目的とする欧州指令を欧州議会が否決し、港湾労働者は大きな勝利を収めた。最終投票であった第3回投票では、229人の欧州議員が反対票を投じ、賛成票は、209票だった。
この投票結果は、(指令にもともと反対を表明していたベルギー政府とスウェーデン政府を除く)各国政府、港湾局、荷主、船主などの敗北を示している。欧州の港湾労働者にとって輝かしい勝利であったと同時に、欧州議会が歴史的決定をしたということでもある。
「国内外の労組が組織した労働者のデモやストライキの結果、指令が覆されたのは前代未聞のことだ。EU圏外はもちろん、欧州を越えた支援を得たことにより、労働組合活動の将来は、労働者の利益のための活動と労働者の国際連帯に基づく労組の国際協力にあるということを欧州連合の港湾労働者は身をもって証明した」とITFのケース・マーギス港湾労働者部長は述べた。
欧州議会と欧州閣僚理事会は、公式な協議期間を経て、指令の最終案に合意した。欧州の港湾労働者が、ロッテルダムで9千人の港湾労働者を動員し、史上最大の国際デモ行進を行い、指令に抗議した同じ日に、双方が合意に達した。
全欧州の港湾労働者が同指令に抗議するキャンペーンを開始してすでに3年になる。欧州の港湾労組は、欧州議会でロビー活動を行い、ブリュッセル、アントワープ、ストラスブールなどでデモ行進を行なってきた。2003年3月には、ストラスブールで行なったデモの結果、欧州議会が指令草案に重要な修正を加える決定をした。しかし、この決定も閣僚理事会の承認を得ることができなかった。
もし、修正が加えられたなら、指令に規制やセーフガードなどが盛り込まれることになり、妥協案としてかろうじて労組の支持も得られるものになっただろう。しかし、そうしたセーフガードがなければ、指令は雇用削減、労働条件の切り下げ、資格をもたない未組織労働者が主要労働力になることを許すことになり、安全面の軽視に繋がると労組は懸念している。
しかし、労組、労働者、産業界の批判者などが絶え間ないキャンペーンを展開することにより、最終的に同指令の改革計画そのものが廃案になった。
 同欧州指令は、港湾労働の日雇い化、単純作業化の公式認可を目指すものであり、世界各国でも徐々に懸念が高まっている。大勝利は収めたが、闘いはまだ終わっていない」とマーギス部長は述べる。

一方、2001年1月に、当時はまだ極秘情報だった欧州港湾指令案がITFに漏れてしまったことを契機に始まった欧州のウォーターフロント闘争もまだ終了していない。欧州委員会も、別の方法で欧州の港湾を自由化しようと考えていると思われる。特に、世界貿易機関を通じて何らかの手段を講じてくる可能性がある。
 「グローバルウォーターフロント闘争とも言うべき次の闘いに向け、これまで行なってきた組合潰し反対キャンペーンと、船員による荷役反対キャンペーンを統合した」とマーギス部長は言う。

荷主や船会社の都合だけを優先し、労働者、市民社会、環境を犠牲にしてサービスを提供する便宜置籍港に対抗するためには、キャンペーン行動を統一する必要がある。労組は今こそ率先して自らの社会基準・規範を作り上げ、港湾局やサービス供給者にもそれを認めさせるように努力すべきだ。ITFが長年行なってきた便宜置籍船キャンペーンの経験から、グローバルかつ、長期的戦略に立ったキャンペーンをどう展開していけばいいのかは分かっている。
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EU指令によって提起された問題に引き続き対処していくためのITFの対策
組合潰しに反対するキャンペーンの強化(反組合的雇用慣行と船主の未組織ターミナルへの移動を阻止する)。
荷役を港湾労働の仕事として保護する(荷役のプロに任せて!)。
船内や港湾における船員による荷役慣行を組合が監視する。
ITF協約船における協約違反に対抗する ― 船員による荷役はITF協約違反である。
港湾労働者の訓練内容を改善し、荷役サービスの質と港湾の競争力を向上させるよう働きかける。
労働力の日雇い化に対抗するキャンペーンを行なう。
安全基準維持のためのロビー活動を行なう。
港湾労働者の団体交渉権を確保するために闘う加盟組合を支持・支援する。
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INDEX
港湾労働者の勝利
欧州港湾指令却下
航空経済
2004年の航空産業の
展望と課題
シックエアクラフトをどう治療するか
目に見えない健康被害の認識を高める労組の闘い
アルゼンチン鉄道の行方
中南米の鉄道民営化事情
遺棄されて:救いの手を差し伸べてくれるのは誰?
船員が遺棄されたらその責任は誰が取るのか
利益を求めた威嚇行為
FOC船に乗組むラトビア人船員の苦難
赤信号がともされた自由化プロセス
WTOカンクーン閣僚会合でつまずいたロジスティクス会社
知っておこう
交運労働者とグローバル化
勤労生活
グローバル化と私たち
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