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グローバルユニオン

2005年4〜6月 第19号
■津波の後
 
グローバルユニオン

津波被害地域のための救援プロジェクト立ち上がる

グローバルユニオンは1月、2004年12月の津波被害を受けたアジア沿岸地域の復興支援のための国際労働運動としての取り組みを開始した。
津波により命を落とした交通運輸労働者は多い。現在、死者は16万5千人に達し、行方不明者は数千人に上る。インド洋海底を震源地とする地震により発生した大波は、特に漁村に壊滅的な打撃を与えた。船や港湾施設、海岸沿いの道路、鉄道路線、列車やバス、組合の事務所や施設が破壊された。
グローバルユニオンの取り組みは、津波の被害に対する労働界の対応を一つにまとめる目的で開始された。復興支援の中で労働組合が特に大きな役割を果たすべき分野を追究し、例えば組合インフラの構築など、組合の経験が最も必要とされる分野を特定することを目指す。
この取り組みの規定のもと、グローバルユニオンに加盟する被災地域の組合は、支援要請を行うことができ、他地域の加盟組合は、グローバルユニオン津波基金への拠出協力を求められる。拠出金を特定の国や産業またはプロジェクトに充てて欲しいといった要望が組合にある場合は、その旨を伝えることもできる。
一方、グローバルユニオンのパートナー組織は、現地の情報収集を継続している。
1月には、国際労働界の指導者で構成される視察団が、最も甚大な被害を受けたインドネシアとスリランカの視察を行った。視察団は現地の組合員や社会活動家と何度も会い、被災国の組合から得ていた報告の補足的な情報を収集することがでた。これにより、当面の支援計画と長期的な復興支援計画を立てる必要性が明らかになった。ITF地域事務所の職員も被災国を訪れ(バンダアチェ視察の報告書を参照)、交通運輸労組に特別な要望がないか尋ねた。地域事務所は、現在も引き続き現地の加盟組合協議会と緊密に連絡を取っている。
インド、タイ、スリランカ、インドネシアなどの被災国の組合員は直ちに動員され、資金の提供、生活必需品の輸送、人道支援サービスなどを行った。
インドでは、全国の交通運輸労働者が一日分の賃金を首相によって設立された救済基金に寄付した。インドネシアでは、ITF加盟組合のガルーダ航空客室乗務員組合(IKAGI)が交渉の末、バンダアチェ便に搭乗する乗務員に荷物を余分に運んでもらう約束を取り付けた。そのため、組合員や一般市民の寄付により集まった何トンもの医薬品や救援物資を客室乗務員に運ばせることができた。その他、被害国の内外で、交通運輸労組が救援活動に従事している。オーストラリア海事組合(MUA)は、7万5千ドルの寄付金を集めた。MUAの継続的な取り組みとその経験に関する詳しい情報はITFホームページにも掲載されている。
グローバルユニオン基金へ献金を希望する組合は、まずITFに送金してもらってもいい。ITFは、グローバルユニオン津波基金、および国際海事機関(IMO)が設立した津波海事救済プログラムにそれぞれ1万ポンド(約200万円)を寄付した。
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ITFとその他の国際産別組織(GUF)は、世界のナショナルセンターを代表する国際自由労連(ICFTU)とともに、スイスのジュネーブ近くで1月11〜12日に開催された会議で津波復興支援に関して合意に達した。詳細はwww.global-unions.orgを参照。
被害 漁民の間に広がる

緊急を要する支援とは別に、生計を立てる手段を失った数百人の労働者、とりわけ甚大な被害を被った漁民とその家族が今後生きていくための新たな生計の手段をどうすれば得られるのかという重要な問題がある。
国際労働機関(ILO)の予測では、スリランカとインドネシアだけでも、津波で職を失った人の数は100万人に上る。その多くが漁民だが、小作農や商人も多い。
集中的な雇用創出戦略を津波後の人道・復興支援プログラムに含める必要があるというILOの見解を支持し、グローバルユニオンの視察団もまた、協同組合などを創設するなどして職業訓練プログラムを作成したり、持続可能な雇用創出プロジェクトへの支援を強化したりする必要性を訴えた。
現地の組合も、労働者の権利の侵害と成人、子供を問わぬ労働者へのひどい搾取が起こる危険性をなくすには、国際労働運動の支援が必要だと強調した。
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ICFTUのニュースレポート2005年1月号より抜粋
バンダアチェ視察の報告書

ITFアジア太平洋地域の和田茂部長が津波被害の震源地、バンダアチェの視察について報告する。

一行がバンダアチェを訪れた際、警官や軍人など、一部の公務員は仕事を再開していたが、多くの労働者が仕事に戻れる状況にはなかった。市の中心部は完全に破壊され、多くの職場が消滅した。一部の国営企業は、行方不明の社員を含め、被害を受けた全社員に給与を支払うと発表した。しかし、そのような賃金や補償に関する取り決めはまだ決定していない。

交通運輸部門への影響

鉄道
スマトラ北部には17の鉄道主要駅があるが、1967年に運行は停止された。政府は95年までの運行再開を約束したが、いまだに実現していない。しかし、バンダアチェには線路や鉄道施設を管理する職員が6人おり、多くの元鉄道員がこの地域に住んでいた。津波で現地の鉄道事務所が破壊され、電話も不通になっているため、組合員の被害状況は把握できていない。インドネシア鉄道労組は現在でも死傷者についての情報を収集している状況だった。

民間航空

ガルーダ・インドネシア航空の乗務員で、バンダアチェをベースにする者はいない。フライトの間にバンダアチェに滞在するだけだ。津波発生時にはメッカ巡礼のためのフライトに乗務した運航乗員3名と客室乗務員13名がバンダアチェ市内のホテルに滞在していた。このホテルの1階部分は地震で倒壊し、倒壊直後の津波で下階部分は浸水した。数名の客室乗務員が負傷し、1人は後に死亡した。
バンダアチェに住んでいたガルーダ・インドネシア航空のグランドスタッフ、空港職員やその家族も津波の犠牲となった。空港自体に被害はなく、現在は民間航空労働者のための避難所および救援センターとなっている。ITF加盟のガルーダ・インドネシア航空客室乗務員組合(IKAGI)、パイロット組合APG(ITF未加盟)は組合員から義援金を募り、乗務員に割り当てられる手荷物許容量をフルに活用して食料や医薬品をバンダアチェに送った。

港湾
11港が深刻な被害を受けた。ITFに加盟するSBSIの代表が死傷者の数や港湾の被害状況について現在、情報を集めている。

海運
インドネシア船員組合(KPI)の報告で示されていた通り、船舶2隻が転覆していたほか、タグボート型の発電船舶(電力不足を補うためのもので、地震発生前から接岸していた)が海岸線から3キロも離れた内陸部で座礁していた。16人の乗組員のうち10人が死亡した。多くの漁船が津波に襲われ、街路に打ち上げられていた。多数の漁船員が犠牲になったと思われるが、アチェ州に漁船員を組織する団体はなく、具体的な数字は分からない。

路面
多数のミニバスやタクシー労働者が犠牲になった。バンダアチェ市のバスターミナルは津波で完全に流された。路面運輸労働者の犠牲者数に関する情報はない。
津波発生以来、ミニバスやタクシーの料金が全体的に高くなっていた。発生前に比べて10倍に跳ね上がったとの報告もあり、そのため、現地の人たちは公共交通を利用することができずにいる。車を借り上げているのは主に国際機関だ。トラックやダンプカーの多くもユニセフや世界食糧計画(WFP)などの国際機関が借り上げている。

観光
反政府勢力が存在するために、アチェ州は観光を奨励できる場所ではないが、西海岸はオーストラリア人のサーファーの間で人気が高まっていた。西海岸沿いに小さなホテルがあったが、津波で崩壊した。旅行代理店の多くは市中心部に存在していたが、津波で完全に破壊された。労働組合が存在しないため、観光産業の被害状況や労働者の犠牲者数を把握することは不可能だ。

一般的に言って、アチェには反政府武装勢力が存在するために、ナショナルセンターも真剣に対応してこなかった。その結果、津波発生前から、アチェには労働組合がほとんど存在していなかった。主に活動していたのは、教員労組のPGRIや電力労組のSPPLNなど、公共部門の組合であった。
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