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グローバルユニオン

2006年10〜12月 第25号
■雇用と環境は対立しない
 
雇用と環境は対立しない

気候変動に関する議論が白熱する中、ITFの航空環境政策についてインゴ・マロウスキが説明する。

他産業の排ガスと同様に、航空機が排出する二酸化炭素も地球温暖化を促進していることは広く知られるようになった。航空機の排ガスや騒音などの環境問題についても一定の抑制と均衡は作用しているが、最近、自社の責任でこの問題に取り組み始める航空会社が増えており、規制当局が要件としている以上に厳しい水準を目標に設定している。
環境問題は、ITFに加盟する60万人の民間航空労働者にとっても重要な問題になっている。自分の職場の環境面での安全衛生に関心をもつ労働者は多い。また、地域社会やより広範な社会における環境の長期的持続可能性にも多くの労働者が関心を強めている。
ITFは、国際民間航空機関(ICAO)などの国際機関における環境面の動向を監視し、かつそれにプラスの影響を及ぼす存在でなければならない。航空産業が温暖化ガスの主要な排出産業のように言われている現状を変えていくためにも、それが不可欠である。
航空産業は、「雇用か環境か」とういう選択をするのではなく、「雇用と環境」というシナリオを作り上げていくことが肝要だ。ICAOは、「安全で秩序ある航空の発展と環境に対する配慮を最善の形で融和させる責任がICAOとその締約国にある(総会決議A35-5)」ことを認識している。
ICAOの環境分野の活動は、同機関が世界中が対応を調整する上で最も効果が上がると考えている分野、つまり、「航空機の騒音」と「航空機エンジンからの排出ガスの影響」に重点を置いている。航空産業はグローバル経済に不可欠な輸送を提供し、インフラが発展途上にある国では、社会福祉サービスの提供に必要な輸送を提供するなどして、世界中で多くの労働者を雇用している。
したがって、航空産業が産業の急速な拡大や成長予測と、その環境負荷の間のバランスを上手く保つことが不可欠だ。
「二酸化炭素排出と環境」の議論においても、航空産業の立場は際立ってきている。業界予測によると、航空機が排出する温暖化ガスは、航空各社が燃費のよい航空機を新たに開発した場合でも、2030年までに2倍に増えると言われている。今後25年で航空輸送が大幅に増加すると予測されることが主な原因である。
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弊害の抑制

したがって、ITFは民間航空産業が気候変動に及ぼす影響を抑制するための長期的戦略を奨励している。また、2020年までに燃費の大幅な改善、排出ガスの削減、騒音の低減に優先的に取り組む航空機メーカーや下請け企業を支持する。
また、ITFは、航空機の二酸化炭素排出を欧州(EU)排出権取引制度に組み入れることを支持し、同様の制度を全世界で確立し、EU外の主要航空国も取り込んでいこうという声を支持する。
また、地域社会と協力して騒音レベルの低減に努力する航空会社を支持する。つまり、必要であれば、運航上の制限も受け入れ、地域の大気の質の向上と空の混雑緩和に努力をする企業を支持している。
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インゴ・マロウスキはITFの航空部長
安全と持続可能性

8月のダーバン世界大会で承認されたITF民間航空枠組環境政策案は、以下を奨励している:

民間航空産業が環境保全に十分に配慮した研究開発を実施する。これにより、環境保全を促進し、エネルギー効率を継続的に向上させるための国際協力や情報提供が実現する。
   
毒性物質、有害物質に晒されることに起因する職場の安全衛生上のリスクとその軽減策を徹底的に分析する。
   
騒音の低減、温暖化ガス排出削減、国際的排出権取引制度を含む温暖化の影響を軽減させるための様々な方策を監視・管理するための効果的な施策の採択。
   
飛行のために使用される毒性物質の削減と廃止
   
安全で安心できる環境水準を維持するための、空港設備の定期的な評価と監視。
   
航空機製造のための要件の設定と廃棄管理計画の実施。
   
環境に配慮した方法で航空機を解体し、資材を回収することを含め、最新の環境動向を考慮した製造法で航空機を製造する。
   
グローバルレベルでは、ITFがICAOに積極的に参加する。地域および国内レベルでは、加盟組合が環境保全を促進するために積極的に努力する。
   
環境問題に関する航空規制・管理を強化する。
   
「汚染者負担原則」を実施するための航空税に関する研究。
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二酸化炭素排出権取引

欧州委員会の勧告が認められた場合、2008年から航空産業も欧州連合(EU)の二酸化炭素排出権取引制度に組み入れられる可能性がある。
同制度は、温暖化軽減のため、EU諸国の主要産業の温暖化ガス排出に制限を設けるためのものだ。この制度のもと、EU加盟国の各政府は、京都議定書の削減目標に則した排出枠を各企業に割り当てている。
割り当てられた排出枠を越えて排出する企業は排出量が排出枠を下回る企業から排出クレジットを購入しなければならない。あるいは、他国で実施される環境にやさしい開発プロジェクトへの投資をするという選択肢もある。
現在、航空産業はEU全体の二酸化炭素排出量の約3パーセントを占めていると言われているが、航空機が排出する様々なガスや水蒸気は高層大気中に直接放出されるため、航空産業の影響は特に甚大であると考える専門家も一部にいる。
欧州の空港やブリティッシュ・エアウェイズなどの主要航空会社も、EU排出権取引制度に航空産業を組み込むという考えを支持している。ブリティッシュ・エアウェイズ全社の燃料効率は、1990年レベルに比べ、27パーセント向上した。また、同社は英国政府が試験的に実施している排出権取引制度にも参加している。
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