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2009年10〜12月 第37号 |
■今月のニュース |
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船員
トルコで遺棄された船員の支援
イスタンブール港(トルコ)で遺棄された船員が、ITFの救援基金の支援を受けられるようになった。
この救援基金の設立は、7月にイスタンブールで開催されたITF世界インスペクター会議で議論、決定された。
基金の目的は、イスタンブール港で遺棄され、「ひどく困窮状態にある船員」の支援だ。貨物が到着するまで何ヶ月間も係船されたままとなっている船の上で、生活もままならないレベルの賃金や食糧しか与えられずにいたり、正体不明の船主によって完全に遺棄されたりした船員が対象だ。イスタンブール港は、世界で最も入港船舶数が多く、重要な港湾の一つであるが、経済危機の影響で、400〜500隻が係船されている。
基金の設立により、ITFに加盟するトルコの船員労組、DAD-DERは、遺棄船員に直接、人道支援を行えるようになった。DAD-DERはITFと共に、船員の困窮状態を把握するための船舶調査も実施している。一方、ITFは翌週、トルコの海運当局と面会し、旗国が国際法上の義務を果し、船員を支援するよう、要請することとなっている。
ITFのグラハム・ヤング海事オペレーション部長は、「長期間にわたる係船が増加する中で、このような深刻な問題が増えていることをITFは懸念している。この種の問題は世界経済危機の結果であることが多いが、だからといって、船主や旗国が船員に対する責任から逃れられるわけではない」
ITFは現在、他の主要港でも同様の問題が発生していないかを調査している。 |
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アルゼンチン労組のHIV-エイズ教育活動
アルゼンチンの海運労組が、HIV-エイズに関する船員の意識啓発と予防のために、病院と協力協定を結んだ。
ITFに加盟するCJOMNは、ブエノスアイレスのMuniz病院と非公式に協力活動を行っており、昨年末と今年4月には、HIV-エイズに関するセミナーが開催されている。この度、協力協定が新たに締結され、Muniz病院の医師・専門家が、船員のHIV感染防止のために、さらにセミナーを実施することになった。
CJOMNはHIV-エイズ活動を活発に行っており、最近は、船主と団体協約を締結し、ILOの行動規範やアルゼンチン政府が推奨する活動やその他の基準の実施の必要性を強調する条項を勝ち取った。
CJOMNのムジカ・グスタボ・アンドレスは、「交通運輸はHIV-エイズの感染拡大を防ぐことができる。だからこそ、交通運輸産業の労働者に対する教育活動が重要なのだ。労組の役割は特に重要だ。一致団結した強力な組合運動は、労働条件の向上だけでなく、HIV-エイズの蔓延防止にとっても不可欠だ」と述べた。
ITFのアジフ・アルタフHIV-エイズコーディネーターは、「CJOMNが、HIV-エイズ禍との闘いにこれほど活発に関与しているのはすばらしい。この種の協力活動によって、感染防止のための既存のノウハウがさらに活用できる」と語った。 |
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