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2009年10〜12月 第37号
■勤労者生活
 
自分を信じて

アン・ジョルン・オルセンがノルウェーのトロール船で働く危険と困難について語る。

ミッシェル・コーサ
トロール船で働くのは容易なことではない。漁船員は疲労を伴うシフト、漁獲物を船に引き上げる作業中に、荒れ狂う波にさらわれる危険を絶えず経験している。それでも、アン・ジョルン・オルセンは、この仕事が大好きだと言う。
オルセンが漁船に乗り組むようになったのは偶然だった。オルセンは、海や漁業が生活の重要な部分をなしているノルウェー北部の出身だ。10年以上前になるが、夏休みのアルバイトで漁船の塗装の仕事に就いた。漁船が漁の合間に港で停泊中、5日間をかけて船の塗装をするという仕事だった。もっといい仕事を探すまでの間、ほんのアルバイトとしてやった仕事だったが、状況は一変した。塗装の仕事自体には計5日間しかかからなかったが、漁船の運航中は作業ができないため、オルセンの勤務期間は数ヶ月に及んだ。彼女は間もなく乗組員と親しくなり、漁船で働こうという気持ちを強めていった。
しかし、漁船員としての訓練を受けたことがなかったため、下積みからのスタートだった。最初に乗り組んだトロール船では約1年半働き、その後、現在も乗り組んでいる全長43メートルの冷凍トロール船に移った。両船とも、ノルウェーの水産大手、エイカー・シーフードの所有船だ。
現在、オルセンは漁船の船長と工場監督を務める。つまり、トロール船の運航と、漁獲物の冷凍を司っている。海に網を引き、次の魚が取れるまでの間は魚の加工を監督する。ノルウェーでは、混獲や選別投棄は許されない。いかなる漁獲物も投棄することはできないので、獲った魚は全て大きさや種ごとに仕分け、さばいてから洗浄し、洋上で冷凍される。その後、冷凍された魚は水揚げされ、競売にかけられる。ノルウェーで魚の競売管理の許可を得ている企業は、わずか2社だ。
10人の漁船員を含む15人の乗組員のうち、女性はオルセンただ一人だ。彼女の他には職員、エンジニア、コックが乗り組んでいる。実際、ノルウェーで漁船に乗り組む女性はほとんどいないが、よく抱かれる不安をかき消すように男性の同僚とはうまくやっている、とオルセンは急いで付け加えた。乗組員は一丸となって働かなくてはならず、助け合いは必須だ。
組合には、1998年に加入した。この数年間で、労働条件がかなり改善してきた。実際、漁船員の労働条件は悪くないが、以前は仕事がもっと不規則で、22日間連続で働かなければならない時もあり、それも数日前に知らされることが多かった。
しかし、5年ほど前から組合が労働条件を改善し、今では1ヶ月働いたら1ヶ月休みを取れる。そのため、社交の時間も取りやすくなり、労働組合の活動に参加する時間も多くなった。シフトは、6時間働いた後、6時間の休憩が取れるよう組まれている。仕事は非常に厳しく危険を伴うため、休憩時間はたいてい寝て過ごす。
乗組員は常に救命胴衣、ヘルメット、安全靴を身に着けている。天候が悪い場合は、救命スーツも着用する。様々なウィンチ、ケーブル、網が装着されたトロール船の運航は、とても難しい。幸い、オルセンはこれまでかすり傷やあざができたくらいで、大きな事故に遭ったことはない。
労使の努力により、この数年で安全基準は目覚しく進歩した。皮肉なことだが、事故が起きやすいのはむしろ天候の良い時で、良い天候の下では乗組員も安心し、危険を感じにくいことが原因だろう。
オルセンは組合の支援に感謝している。トロール船がシェトランド島沖のバレンツ海などに出た時はいつも、組合がついていると感じながら仕事をしている。また、世界には、自分のように良好な労働条件をもたない漁船員が多いことも知っている。だからこそ、国際連帯が重要なのだ。
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