
|
 |
2009年10〜12月 第37号 |
■船員の犯罪者扱い |
 |
|
インド船員労組
船員の犯罪者扱いに抗議
「インド人船員は依然として、犯罪者扱いされる危険にさらされている」と訴えるインド船員連盟(ISF)は、船員が不当に拘束される数々のケースでインド政府の介入を求めている。
7月、ISF代表団は、GKヴァサン海運相と面会した。代表団には、インド船員組合(NUSI)のアブドゥラガニ・セラン書記長とシャンティ・パテル会長のほか、世界のマスコミから注目されたヘベイ・スピリット号事件で韓国当局に1年半も拘束されたジャスプリット・チャウラ船長とシャム・チェタン一等航海士が加わった。
残念なことに、ヘベイ・スピリット号事件の教訓は活かされず、船員は未だにスケープゴートにされている。ISF代表団は、インド籍船や他国籍船に乗り組むインド人船員が依然として犯罪者扱いされる状況にあることに懸念を表明した。
本稿執筆時点で、2つの事件が係争中だ。
マンガロール出身のグレン・アロザ船長(トサ号の元船長)は、転覆漁船の救助を怠った容疑で、今年4月以来、台湾で拘束されている。ラトナーギリ出身のサキブ・サカルカーは、乗り組んだ船の船内で密航者が死亡したことをめぐり、2008年8月以来、アルジェリアで拘束されている。ヴァサン海運相は、これらの事件に前向きに対応することを約束している。
ISFは、外務省や海事局の支援も取り付けようとしている。
「ITF、香港等の船主協会は、国内および国際的な場において、船員の犯罪者扱いに強く抗議し、拘束されている二人のインド人船員の正義を訴えている」とアブドゥラガニ・セラン書記長は言う。
インド海事組合(MUI)のSSカーン書記長は「我々の行っているインド政府の介入要請が、この恥ずべき慣行の撲滅につながることを期待している」と語った。
ISFには、ITFに加盟するインド船員組合(NUSI)とインド海事組合(MUI)が加盟している。 |
|
 |
ヘベイ・スピリット号事件
6月に保釈されたヘベイ・スピリット号のジャスプリット・チャウラ船長が、これまで支援してくれた全ての人に感謝の意を述べた。チャウラ船長とシャム・チェタン一等航海士は、本船がクレーンバージと衝突し、油濁が発生して以来、韓国当局に1年半も拘束されていた。
チャウラ船長がITFに宛てた7月15日付のメールを紹介する。
ありがとうございました。ついに愛する家族の元に帰ることができました。サムソンは我々を有罪にし、再び韓国に戻そうと、あらゆる手段を試みたようですが、ITFおよび海運界全体の強力な支援のおかげで、それらの試みも最小限に抑えることができました。
残念ながら、我々を支援してくれた皆様、一人ひとりにお礼を言うことはできませんが、「ありがとう」という言葉では表現しきれないほど、皆様方に感謝しております。
仲間の船員たちからいただいた支援、心遣いは、非常に感動的で、我々が経験したことを真に理解し、我々が完全に無実であることを証明するために、全面的に協力してくれました。
その他にも、我々を信じてくれた全ての方々に、ぜひ、私の感謝の気持ちをお伝えください。 |
|
 |
|
|
 |
|