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2008年7〜9月 第32号
■今月のニュース
 
船員

インド人船員の勝利


3ヵ月近くシンガポールで立ち往生していた便宜置籍船(FOC)の船員達が、10万ドル以上の未払い賃金を勝ち取った。
4月5日、ギリシアのブルーフリート社が運航する北朝鮮籍船「レディ・ベリンダ号」のインド人船員22人が、4ヵ月分の未払い賃金、102,000ドルを獲得した。
鉄鉱石を積んだ船齢37年のばら積船が、1月5日にマラッカ海峡北部で動けなくなり、タグボートに曳かれて1月14日にシンガポールに入港した。それ以来、シンガポール港湾当局が同船を拘留している。
ITFに加盟するシンガポール商船職員組合(SMOU)とITFが支援に乗り出したため、船員は未払い賃金を勝ち取ることができた。現在は、耐航性がないと判断された同船から下船できるよう、船員達が要求している。
SMOUの委員長、キャプテン・ロビン・フーは次のように述べている。「船員達が依然として不当に搾取されていることは実に痛ましいことであり、耐航性のない危険な船舶に乗り組まされている実態は、海運産業にとって大きな懸念を生むものである。船員の人道的福祉面から支援し、未払い賃金の回収を援助してくれたITFをはじめとする様々な福祉団体やシンガポール海事港湾局に感謝している」
シェイカ・ヤクブ・ウマール次席機関士は、「未払い賃金を取り戻せるとは思っていなかったが、ITFとSMOUのおかげでそれが叶った。この苦しみが、あと少しで終わると思うと嬉しい」と語った。
SMOUとITFは、現在、船員の送還費用と雇い止めまでの賃金も全額支払うよう、船主と雇用主に働きかけている。
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