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2006年7〜9月 第24号
■若年労働者組織化の苦悩
 
若年労働者組織化の苦悩

スワジランドの労働組合は若年労働者の組織化を重視する必要があるとペルシー・マスク

スワジランドの鉄道、道路輸送、航空は、リストラ、アウトソーシング、民営化で大きな打撃を受けてきた。その結果、労働組合も質、規模の両面で深刻な状況に置かれている。
リストラで組合の重要性を理解しているベテランの高齢労働者が解雇され、動員するのが難しい若年労働者が残った。
道路輸送、特に公共交通の分野では、労働力の大半が若年労働者だ。そのほとんどが基礎教育しか受けていない。中には、学校教育をほとんど受けておらず、厳しい状況の中でぎりぎりの生活を営んでいる者もいる。
彼らが仕事を求めてバス会社に向かうのは、他に選択肢がないからだ。やがて、個人バス・タクシー事業者に雇われ、取るに足らない賃金で長時間、働かされることになる。残業代も出なければ、休暇も取れない。
これら若年労働者の組織化は、スワジランド交通運輸合同労組(STAWU)のオルガナイザーの努力にもかかわらず、これまでのところ成功していない。彼らの雇用は何ら保障されておらず、離職率も高い。彼らを対象とするワークショップの必要性が指摘され、日付も設定されたが、出席者がほとんどいないのが現状だ。
 
無関心という問題

これらはSTAWUに限った問題ではない。ほとんどの組合の若年労働者組織化の取り組みは失敗に終わっている。
スワジランド看護士組合(SNA)は大勢の若年組合員を誇るが、若年層は時として、組合活動に非常に敵対的になるという。全スワジランド教員組合(SNAT)では、高齢教員の多くが早期退職制度を利用したり、管理職に昇進したりしていく中で、残った若年教員は、組合費は納めているが、組合の貯金・貸付制度に関心があるだけだという。
スワジランドで急増している「労働ブローカー」の問題もある。彼らは労働者から会費を徴収しているが、特定の問題・争議で労働者を代表するだけで、後は労働者同士を競争させている。
民間航空の再編も道路輸送や公共交通と同じ問題を引き起こしている。しかし、STAWUの中で民間航空労働者の占める割合が非常に低いことが問題をさらに悪化させている。組合の中で彼らの利益を公正に代表させるのは容易ではない。
さらに、貨物輸送の分野でもリストラが迫っている。最近、多国籍企業のカーゴ・キャリヤー・スワジランドが270人近くの人員削減計画を示唆した。
これはSTAWUにとって大打撃だ。同社支部は組織化の面でも、財政面でも、STAWUの生き残りに多大な貢献をしてきた数少ない支部の一つだからだ。ここでもまた、人件費の高いベテラン労働者が標的にされるのは間違いない。そして、経験の薄い若年労働者が残されるのだ。
一方、鉄道では、会社側が労働者を分断させるのに成功し、一部の組合幹部と労働者の間に深刻な誤解が生まれている。組合の組織体制や運営に関する、一部の組合員の認識不足が組合批判を招いていることは組合幹部も一般組合員も承知しているのだが。
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今後に向けて

このような危機の中でも明るい兆しはある。組合が組織化だけでなく教育の重要性にも気付き始め、一般組合員等の教育担当者養成を開始したことだ。
2005年10月にマンジニでリーダーシップ開発セミナーが実施されたのに続き、職場代表研修の実施も決まり、STAWUの生命が次世代に受け継がれようとしている。
この職場代表研修は、長年労働運動に携わってきた活動家をトレーナーとして抱える「トレーニングを通じたエンパワーメント(ETT)」の支援で実施される。
STAWUは若年失業者を惹きつけているもう一つの産業、警備産業の組織化にも力を入れようとしている。交通運輸の補助的な役割を担うことの多い警備員の組織化は組合にとって賢明な選択と言えるだろう。
STAWUにとって残された課題は組織化目標の設定と達成だ。教育・研修活動を強化すると同時に、オルグ活動を全体の活動の一部ととらえることが重要になってくるだろう。つまり、大勢のオルガナイザーや教育者を養成するとともに、特に若年労働者や女性労働者をターゲットにしたプログラムを開発することがますます求められるだろう。
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ペルシー・マスクは最近までスワジランド交通運輸合同労組(STAWU)の若年オルガナイザー・教育者だった。現在は「トレーニングを通じたエンパワーメント(ETT)」に勤務している。
 
 
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