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2006年7〜9月 第24号
■砲火を浴びるドイツの大船主
 
砲火を浴びるドイツの大船主

レオンハルト・ブランベルグ社が所有するFOC船に乗り組む船員を保護する国際キャンペーンについてディーン・サマーズが報告する。

フランク・レオンハルト氏は、ドイツのハンブルクに本社を置く、今ではすっかり悪名高くなったL&B社(レオンハルト・ブランベルグ社)の三代目CEOである。創立以来、103年の歴史をもつL&B社は約45隻の船舶を所有している。しかし、ごく最近までは、所有船にITF承認協約を締結することは一切なく、L&B社の船舶に乗り組む船員は、同社のわずかばかりの情けにすがるしかなかった。
フランク・レオンハルト氏は、ドイツ船主協会(VDR)の会長職も勤めるなど、ドイツ海運業界でも特権的立場にあり、こうした強い立場を利用して、2005年に全世界の船員組合に対する一連の冷酷な攻撃を開始した。
レオンハルト氏は、所有するFOC(便宜置籍)船にITFが承認する国際最低基準を適用することを拒否することで、世界中の船員の権利を無視するようにと仲間のドイツ船主に呼びかけた。
昨年、日本のITFインスペクターらが、L&B社の所有船で、現在はITFに好意的な日本郵船(NYK)が傭船しているコンテナ船、NYKプレステージ号にITF協約を締結させようとあらゆる手段を講じたが、失敗したため、まず始めに警戒心を強めた。
当然のことだが、NYKがITFに対するこれまでの協力的な態度を改める兆候ではないかという懸念が広まった。そこで、手始めに、ITF はNYKプレステージ号の全ての寄港地で、同船に対する効果的キャンペーンを精力的に展開した。
加盟組合は協力し、各国のドイツ大使館へ抗議し、またNYKプレステージ号の寄航国の港湾労組への呼びかけも行った。最終的に、ドイツの加盟組合、ヴェルディが中心となり、ITFの代表団がハンブルクの本社でフランク・レオンハルト氏に会う約束を取り付けた。
ところが、レオンハルト氏は、約束の30分前になり突然会談をキャンセルした。それどころか、氏はこの機に乗じて自社を訪れたITFコーディネーターや組合代表者に対し、見当違いの脅しで威嚇を始めた。しかし、このことは、同氏が他国の労使関係について無知であることをさらけ出しただけだった。
L&B社の本社の階段のところに立ちはだかってレオンハルト氏の言葉を聞いていた日本、オーストラリア、韓国、ドイツ、英国の組合代表者から成る代表団は、(よく言っても)失望したと同時に、決意を新たにした。
L&B社を標的とするITFキャンペーンは、ITFのネットワークを通じてさらに勢いを増していった。多くのITF加盟組合や世界中のインスペクターたちが支援を寄せてくれた。
ドイツの船主や彼らの船を使う傭船社を対象に、政治的戦術と法的戦術を組み合わせながら、様々な抗議運動が調整された。この結果、ついに、L&B社の3隻の所有船、NYKプレステージ号、キャップ・ロボス号、ダマスカス号がITFユニフォーム協約(トータルクルーコスト)を締結するに至った。
新たな戦略が次々に生み出され、L&B社の船に乗り組む船員を保護するITFキャンペーンは今、最高潮に達している。
このキャンペーンは、エキサイティングかつダイナミックな運動へと進化し、全世界に広まっている。L&B社の全所有船にITF承認協約が締結される日まで、我々のキャンペーンは続く。
最近ITF協約を締結したL&B社の船舶に乗り組む船員の皆さんには、心からおめでとうと言いたい。また、これを実現した世界中の組合活動家にも心からの敬意を表したい。
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ディーン・サマーズはオーストラリアのITFコーディネーター。
 
 
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