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グローバルユニオン
No.25/2011
■新時代の始まり
 
新時代の始まり

2010年8月、メキシコシティで開かれたITF大会は、FOCキャンペーンに関する新方針を採択した。アナ・ルウェリン(ITF本部)が新方針を総括し、船員にとってどのような意義を持つのかを概説する。

ITFの便宜置籍船(FOC)キャンペーンは、開始から既に60年以上を経過した。けれども、引退する意向は全くない。活動能力は、これまで以上に高まっている。この持続的活力の秘密は、キャンペーンが自己革新を常に行ってきたことと、時流にマッチした変革にある。
今回行われた方針のオーバーホール(徹底的見直し)は、4年間にわたる論議の成果であった。キャンペーンの発足50周年を記念して実施されたオーバーホールは、キャンペーンが海事労働者のための改善を21世紀においても確実に提供し続けるための措置として計画されたものである。
「オスロからデリーへ」と題された報告書を作成した12年前のキャンペーンの見直しから現在までに、多くの出来事があった。関係国際法の変更や問題点の他にも、進行するグローバル化、船舶所有形式の複雑化などに加えて、ILO海事労働条約(船員権利憲章)の導入など、国際規則の変化もあった。(ILO条約については、こちらを参照)
今回のオーバーホールのもう一つの目的は、ITFとその加盟組織が、海事産業に従事する労働者のために一層効果的に活動する方法を検討することであった。
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労働組合の責務

1998年のデリー方針に代わってメキシコシティで採択された新方針の根幹は、新たな船員憲章の採択にあった。この憲章は、ITF団体協約を締結する組合に所属する船舶乗組員に適用されるべき最低基準を規定している。新船員憲章は、2012年1月に発効し、関係労組は2014年までに、この規定を満たす必要がある。
新方針に基づき、すべての加盟組織は、以下の最低基準を船員に適用しなければならない。
組合員証
ニュースレター
組合役員の直通連絡先
団体協約に基づく苦情処理と支援
参加の権利
可能な限りの組合代表との面会
組合の責任に関する情報(複数の労組が労働協約に調印している場合)
前記の最低基準は、ITF労働協約の適用を受けている船員にITF最低賃金および雇用条件を保証するだけでなく、協約に調印した組合の直接の支援ならびに組合について意見を述べる権利を定めている。
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賃金の透明性

船員にとっての重要な特色は、基金の拠出と監査に関する方針である。船員憲章と同様に、この方針も2012年に発効するが、実施の期限は2014年となっている。この方針の目的は、当然の権利として受け取ることができる利益について、全ての船員が確実に理解するためである。
一部のITF協約における賃金総額は、通貨で支給される賃金および各種の給付によって構成されている。これらの給付には、組合が運営管理する積立基金および企業が運営する年金制度や健康保険制度などが含まれている。今度の新方針によって、賃金表の各要素が確実に履行されていることと、現金支給または一定の据え置き期間後に受け取ることができる給付の受け取り方法を、船員自身およびITFインスペクターが容易に確認できる形式とするよう規定される。
また、すべてのITF協約において、賃金の一部を構成する据え置き期間後に給付されるすべての基金制度は、第三者の専門監査人による監査を受けなければならない。この規定により、関係基金が組合または企業によって適正に管理され、船員が正当な権利に基づく給付を受けられることを確保することになる。
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自国籍船乗組員のための改善点

ITFキャンペーンは、これまでFOCに重点を置き、基準以下の船舶を排除することによって、すべての船員の諸条件を改善することを目標としてきた。けれどもITFは、メキシコシティ方針によって初めて、自国籍船乗組員の労働条件に対応するための明確な方針を持つことになった。自国籍船に乗り組んでいる非居住船員に適用すべき最低条件が定められたのである。自国籍船に関する協約に調印する国内労組および船員供給国労組は、協力体制を改善し、すべての乗組員が労組によって適正に保護され、代表されることを確保しなければならない。
新方針は、船舶所有国労組の一次的役割を再確認しているが、船員供給国の労組の一層積極的な参加を促進し、関係労組の提携によるITF協約の調印を奨励している。
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連帯の新時代

ITFのFOCキャンペーンの中核的原則と目的は変わらない。けれども、今回の方針見直しによって、これらの原則と目的を、ITFにとって一段と明確化することが可能になった。その一例が、船員と港湾労働者の共通の目的と相互連帯である。キャンペーンの中心として堅持されているのが、この目的である。港湾労働者の積極的な支援がなければ、船員のためのキャンペーンが成果を挙げることは不可能であった。現在、世界各地の港湾労働者が攻撃の目標となっており、ITF加盟組織は、FOCキャンペーンで得た経験と成果を基礎に、便宜港湾反対キャンペーンを組織することによって反撃に転じようとしている。
これら2つのキャンペーンが相互に支援し合うことなく、船員が港湾労働者との連帯行動をとらないなら、港湾労働者と船員にとっては悲惨な結末が待っていることは明らかである。メキシコシティで合意された方針の変更を基盤として、海上および陸上で働くすべての海事労働者の輝く未来を確実に手にするために、ITF加盟海事関連労組は、ともに協力する決意を再確認したのである。
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●アナ・ルウェリンは、ITF本部(ロンドン)の海事活動部長である。
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新方針に関する関係者のコメント

メキシコシティ方針は、世界の海運産業の変革を目的として、ITFのFOCキャンペーンを効果的かつ効率的に一層の実効を挙げ得る活動とするため、加盟組合が主導した4年間にわたる努力の成果である。今回の新方針は長年にわたるITFのFOCキャンペーンの成功を基礎としており、今後のキャンペーンが一段と実りあるものとなるよう期待している。
新方針は、今後とも船員と港湾労働者ならびに彼らの労組の関係を一層緊密化するとともに、彼らの利益を増進するための方策の発展にも貢献するであろう。
新方針はまた、懸案となっていた非居住船員問題への取り組みにも着手した。この取り組みには、自国籍船についても、当該国労組との連携と協議をもとに、ITFが関与することの了解も含まれている。この了解には、当該国労組組合員の保護に関する懸念も反映されている。
スティーヴン・コットン
ITF海事コーディネーター

バイラテラル協約を認知することによって、新方針が協力と相互尊重の原則を今後も強調している点で、我々は歓迎している。
ジョニー・オカ・ジュニア
AMOSUP、フィリピン

伝統的な港湾労働は、船員から港湾労働者に返還されなければならない。港湾労働者は、良好な賃金と労働条件を確保できるよう、船員を支援し、船員と共に闘う。これが公正な協定というものだ。
ニック・ステム
FNV労組連合、オランダ

受益所有国労組の視点から言えば、旧方針の基礎である受益所有国の原則と交渉権の遵守を前提に、海運産業の変化に対応するため、新方針を採択したのである。
トーマス・アブラハムソン
SEKO労組、スウェーデン
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メキシコシティ方針

船員にとっての利点5項目

ITF協約を調印する労組が船員のために守るべき最低条件
賃金に含まれる全ての個別手当を明示した、容易に理解できるITF賃金表
据え置き期間後に支給される諸給付の運営方式に関する透明性の改善
バイラテラル協約を含むITF船員供給労組の役割の拡大
船員および港湾労組の相互支援の強化
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意見を聞かせてください

ITFのウェブサイトwww.itfseafarers.orgに接続し....

新方針についての意見を聞かせてください。
あなたの船にITF承認協約が適用されていることを確認してください。
あなたの適正な賃金と労働条件を確認してください。
あなたの船に関与している労働組合を確認してください。
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メイド・イン・メキシコ

メキシコシティ方針と呼ばれる新たな便宜置籍船方針は、2010年8月、メキシコシティで開催された第42回ITF大会で承認された。
4年に1回開催される大会において、世界各国から集まった船員や他の運輸労働者の代表は、次の大会までのITFの方針を決定する。このほか、ITF役員および船員部会など各産別部門会議の役員および構成員を選出する。
メキシコシティ大会には、世界の109カ国333加盟組織から、総計1,196人の代表が参加した。
大会のテーマは「強力な労働組合と持続可能な交通運輸を」であり、規制緩和と民営化の悪影響に直面する労働組合と運輸ネットワークの現状が表現されている。
メキシコシティに結集した代表団は、グローバル化と新技術によるIT化の進行が各運輸部門の統合を一段と進展させているため、船員と港湾および関連労働者が連携してキャンペーンを行っているように、ITFの各産別部門が横断的に連携し、労働組合として対応しなければならないことを決定した。
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○2010年のITF大会の詳細は、www.itfcongress2010.orgをご覧ください。
船員部会議長にデビット・ヘインデル

ITF船員部会の新しい議長となったデビット・ヘインデルは、メキシコシティ方針の実施など、今後の挑戦について興奮している、と述べた。ヘインデルは、北米国際船員労組(SIUNA)の全国役員で、メキシコシティで開かれたITF大会(2010年)において、船員部会議長に選出された。
「大変名誉なことである。ITF本部、スタッフ、加盟組合の支援のもとに、我々は大きな仕事を達成することが可能になる」と彼は語った。
ヘインデルは、1997年に米国およびカナダで活動しているSIUNAの書記長兼財務担当役員となり、現在に至っている。出身地はニューオーリンズで、1973年にSIUNA傘下の船員訓練施設を卒業し、遠洋航路の船舶で操機手、機関士補、電気士として勤務した。1980年に組合勤務となり、現在の役職を含む幾つかの役職で活動した。
2002年には、ITF船員部会の副議長となった。その後、ヘインデルは、米国内およびILO、IMOなどの国際会議の場において広範な活動を展開した。とりわけ、船舶および港湾における保安問題、新たな船員身分証明書のための国際プロジェクトなどに取り組み、国際船舶・港湾施設保安コード
(2004年7月発効)の下での船員の権利の確保、さらにはITFのIBF協約が世界の船舶乗組員数万人に確実に適用されるよう支援した。
ITF本部で開かれた初めての会議において、ヘインデル議長は次のように述べた。「数ヵ月後あるいは数年後に船員部会はその目標を達成できる、と私は確信している。我々は目標に向かって積極的に取り組んでいくが、成功のカギは協力精神にあることを認識しなければならない。今日の海事産業の前進にとって必要なのは、この精神である」
「海事産業は世界経済の原動力であり、船員はエンジンを動かすための燃料である。経済の安定と成長に対する船員の貢献は、計り知れないほど大きい。とりわけ、非常事態における国家安全保障のために果たす船員の役割の重要性は言うまでもない」と、彼は言葉を続けた。
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