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グローバルユニオン
No.25/2011
■フェリー
 
「公正なフェリー」キャンペーン
欧州の船員と港湾労働者が団結


欧州の海事産業の中核部分であるフェリー部門の規則と、フェリーに関する新しいEU指令の必要性がITF行動週間によって明らかにされた。

不公正な慣行の即時廃止のためのEUによる措置を要求し、船員労組と港湾労組は連帯して2010年9月のキャンペーン週間を実施した。組合側の説明によれば、フェリー部門における賃金と労働条件の不平等および訓練を受けた港湾労働者の業務を船員に行わせているために、今回のキャンペーンが必要となった。
ベルギー、フランス、アイルランド、オランダおよび英国の組合員が、キャンペーン期間中、旅客フェリーおよび貨物フェリーを目標に活動を行った。ITFキャンペーンのコーディネーターを務めたノリー・マクビカーの言葉を借りれば、彼らの要求は、すべての船員の「まっとうな水準」の最低賃金および健康と安全の適正な保護ならびに港湾労働者の職域の尊重であった。
行動週間を通して、参加した港湾労働者は、船員が貨物の積み付けやラッシング(固縛)作業などを行うことの危険性を、乗組員、乗客および船舶所有者などに語りかけた。オランダ南部のホック・ヴァン・ホランド港にあるステナライン社の前で開かれた集会とデモ行進で、キャンペーンは開始された。英国の同社のキリングホルム・ターミナルにおいても、港湾労働者はトラック運転手への働きかけを行った。
英国およびアイルランドの代表団は、オランダでの抗議行動に参加するため、ハーウィッチ港からステナ・ブリタニカ号に乗船した。港湾労働者代表らは、船内で乗組員や乗客と会見し、フェリーキャンペーンに参加しているITFおよび加盟組合の活動ならびにEU圏外の労働者の処遇について、ステナライン社が抗議行動の対象となっている理由を説明した。
彼らは、全ての労働者の団結権を尊重するようフェリー会社に求める請願書に、乗組員や乗客の署名を求めた。請願の要点は、以下の二つであった。

●乗組員に港湾労働者の業務を強制するのは止めよ。

●すべての乗組員を同等で公正な基準のもとに雇用せよ。

欧州の港湾および海上で乗組員にラッシング作業を行わせている船としてベルギーの港湾労組のあいだでは知られているスペイン船籍のローデス号が、同じ日にゼーブルージュ港に入港した。着桟作業中に、乗組員によって貨物のラッシング解放作業を完了していることが判明した。
ベルギー港湾労組は、港湾当局に会談を申し入れ、抗議行動を実施した。3日後に本船が入港したサザンプトン港では、英国港湾労組が支援行動を行った。
会社側は、このような状況の再発を防止するために、組合と話し合うことに同意した。
今回のキャンペーン週間において、英国の船員労組RMTが、低賃金労働者を雇用するステナラインの姿勢に対する強力な攻撃を行った。ステナラインが雇用している一部のフィリピン船員の賃金は、1時間あたり2ユーロである。
マクビカーは、次のように語った。「ステナラインを対象とするキャンペーンは、今後も継続される。ITF加盟組織は、同様の目的と方針に関連して、ノースリンク・フェリー社、シートラック・フェリー社、ファストネットライン・フェリー社からの回答を待っているところである。
さらに、ITFとその欧州組織のETF(欧州運輸労連)は、2004年に撤回された旅客フェリー定員指令に関する交渉の再開を欧州委員会(EC)に申し入れている」
1990年代に発生し、1000人以上の人命が失われたスカンヂナビアン・スター号およびエストニア号の悲惨な海難事故の後も、欧州委員会は安全を確保するための適切な措置を講じていない、とマクビカーは主張する。2000年に欧州委員会は、安全対策の一部として起草した指令案を提出したが、関係閣僚評議会が反対したため、2004年に取り下げた。
「今回のキャンペーンは、多国籍・多言語の乗組員による安全性への懸念ならびにEU 諸国および非EU諸国の乗組員の対等の権利と労働条件を保証する旅客サービスのための指令を欧州委員会が提案したが、船主側の強力なロビー活動によって廃案となって以来、失われた10年間のフラストレーションを反映したものである。」
彼の主張はさらに続く。「その結果が、雇用削減の10年だ。長年勤務してきた乗組員の職場の縮小と削減が続き、低賃金のEU圏外の船員が導入されている。彼らの大多数は、安全作業の訓練を受けた港湾労働者の代わりに、貨物の荷役作業に従事するよう奨励されているのだ」
ベルギーのACVトランスコム労組のミシェル・クラエス書記長は、次のように述べた。「EU圏外から来た船員は、港湾労働者の仕事を引き受けるよう求められている。これはソーシャル・ダンピングである。労働組合は、これを阻止するための準備を整えた。今後は、一段と厳重な船舶の検査が実施されるであろう」
関係港湾労組は、「公正フェリー」キャンペーンを、2011年以降も継続すると主張している。キャンペーン活動は、ソーシャル・ダンピングや乗組員による荷役作業が行われているフェリーやRO-RO船運航企業に重点を置くこととしている。
今後の成り行きの前兆と思われるのは、イタリア船籍のグランド・ベネルクス号である。行動週間の数日後にアントワープ港に本船が到着した際、乗組員が荷役作業を行っているのが目撃されたため、港湾労組による詳細な調査が行われた。港湾労組は、船主グリマルディ・ラインの乗組員が、港湾労働者が存在しているにも拘わらず、たびたび荷役作業を行うよう指示されていることに注目している。
英国の港湾労組(ユナイト)は船主に対し、このような状況は受け入れられない、と通告した。この結果、船主はこの問題について交渉することに同意した。
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もし、あなたが船内で港湾労働者の仕事をするよう指示されたことがあるなら、そのような指示を受けた場所、日時、船名を、ITFに知らせてください。
また、あなたの契約に基づく賃金、労働条件が、あるべき水準以下であると信じる理由があるときはITFに連絡して下さい。氏名を明らかにしたくない場合には、これらの情報を匿名で伝えてください。
ITFへの連絡は: 短い文章なら+32486123890、Eメールならdockers.seafarers@gmail.com
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