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No.26/2012 |
■コメント |
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2011年には、海事産業にとって多くの出来事があった。何度も経済の浮き沈みがある一方で、国際的な様々な場面で船員にとって喜ばしい成果もあった。
第一に、海賊の脅威から船員を保護するための継続的な取り組みの一環として、民間警備員に関する国際協定が締結された。国際海事機関(IMO)は、そのためのガイドラインを発行したが、それが海賊問題に対する長期的な解決策になるとは見られていない。ソマリア海域を就航する船に対しては、「最善管理手続き第4版(BMP4)」が公表されている。
また、海賊の被害に遭った船員とその家族のために、関連団体と新たな人道支援プログラムを立ち上げた。各国政府に海賊対策を強化するよう促すために、業界団体と「セーブ・アワー・シーフェアラーズ(われらが船員を守ろう)」キャンペーンも。
ITFは、直近の船員・港湾の代表による会議で、モルドバとフェロー諸島の2つの船籍を新たに便宜置籍に指定した。こうした仕事は、決して楽しいものではない。しかし、船員の雇用を守り、最低基準を守るための取り組みの一環として、我々が厳正に行うべきことである。
一方、喜ばしいこととして、交渉により全ての協約において賃上げが達成されたことを報告したい。先ず国際労働機関(ILO)の最低賃金、次に国際団体交渉協議会(IBF)、そして他のITF協約が続いた。IBF協約は、非常に厳しい財政情勢の中で、数年に及ぶ交渉の末に。
昨年の功績を誇りに思う一方で、次の成果にも期待している。とりわけ海事労働条約(MLC)が批准されることを。最も新しい進展として、既にオランダとオーストラリアが同条約を批准した。
今後も、こうした積極的な協力態勢を長く続けていきたい。
デビッド・ヘインデル
ITF船員部会議長 |
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