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グローバルユニオン
No.26/2012
■技術革新
 
技術革新
グローバル化する海上技術


オピニオン
コンピューター・コミュニケーション技術の革新が良くも悪くも船員の労働環境に影響を及ぼしている、とヘレン・サンプソンは言う。

今日は正に情報技術の時代である。時として隔離された世界に置かれがちな船員も、技術革新の影響を免れない。
技術革新がもたらす変化の多くは、プラスのものである。船内に乗組員用のインターネットが導入され、自由にネットサーフィンやSNS、メールができるようになった船もある。これらが船員にもたらした恩恵は計り知れない。
インターネットの導入までには至っていない船社も、メールの利用を限定的に認め、船員同士あるいは船員と家族・友人との間のコミュニケーションの円滑化を図っている。
さらに、携帯電話技術の発達によって、船内の通信システムやSMSを使わずに、電波の届く範囲内で家族や友人にいつでも電話できるようになった。ISPSコードの導入以来、入港間近の乗組員の関心は、上陸後の行動計画よりも、携帯の電波が届きやすい場所はどこかに向けられるようになった。
技術革新は、ナビゲーションやエンジン管理にも役立っている。自動衝突予防援助装置(APRA)や電子海図表示システム(ECDIS)のおかげで、ブリッジ当直員は、より高度な方法で危険要因を把握・追跡し、安全な航路計画を立てられるようになった。また、エンジンルームの無人化によって、機関士は24時間勤務から解放された。
技術革新は、コンピューターやコミュニケーションの分野に限られたものではない。素材技術の発達でサバイバルスーツの性能が向上し、より長時間、冷たい海水の中でも生存できるようになった。同様に、船舶設計技術の革新によって、船体構造の完全性が向上した。
このように、技術革新は多くのプラス面を有する一方、船員にとってのマイナス面も潜在的に存在する。
例えば、コンテナ化は、ここ100年間で貨物輸送業界が経験した大規模革新の一つであるが、積み下ろし時間の短縮という大きな恩恵をもたらした点で祝福すべき出来事である一方、船舶のターンアラウンドタイムの短縮、都心から離れた場所への大規模港の新設という現象ももたらした。これらは共に、船員が短い上陸休暇を楽しむ上での障害となりがちだ。
また、コミュニケーション技術の発達は、船長の裁量を縮小させた。船員も、陸サイドでコンピューターによる貨物プランニング(応力計算を含む)が行われるようになった結果、自らの熟練技術が必要とされなくなった、と感じていることだろう。
「船乗り」としての資質が重視されなくなったとして、技術革新による環境の変化を好ましく思わない船員もいる。
さらに、契約労働者―船員は往々にして契約労働者である場合が多い―は、船内で安全かつ効率的に新技術を利用するための訓練を受けていない可能性もある。
国際船員研究センター(SIRC)は最近、ロイドレジスター教育トラスト(LRET)の資金提供を受け、新技術と訓練に関するアンケート形式の調査を実施した。その結果、船内の機器や新技術の知識を得るためには訓練が重要である、と船員が考えていることが分かった。
しかし、このような訓練が常に理想的な形で実施されているわけではない。初めて機器を使用した後で訓練が行われたり、訓練ニーズの把握過程にほとんど関与させてもらえない等の声が上がっている。アンケートに協力したオフィサーの半数が、訓練費用の一部あるいは全額を自己負担しなければならない、と回答しており、四分の一が、訓練のために使った休暇の補償を受けたことがない、と回答している。
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⇒ヘレン・サンプソン教授は、カーディフ大学(英国)国際船員研究センター(SIRC)船員部長。こちらに関連記事。
 
 
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