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2011年4〜6月 第42号 |
■グランドハンドリング |
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グランドハンドリング規制緩和に反対する欧州労組
EU加盟27カ国のグランドハンドリング業務の規制緩和計画を懸念
欧州委員会(EC)が、今年後半にも「グランドハンドリング指令」の改正案を出す見込みだ。受け入れ可能な社会的保護もなく、規制緩和の加速だけが改正案の目的であるならば、欧州労組はこれに反対する構えだ。ITFの欧州地域組織である欧州運輸労連(ETF)は、ETFの社会的要求、特に従業員の移管に関する保護条項に対応していない改正案は、いかなるものであれ、反対運動を展開するとしている。
この運動は、まず、労組、欧州議会議員、業界指導者の意識啓発を目的に開始する。そして、改正がもたらす社会的影響を考慮するよう、欧州の指導者らに呼びかける。
各国レベルでも、議論の余地のあるこの改正案に反対する世論の醸成を組合に要請している。
ETFは、EUの2001年既得権指令(Acquired Rights directive)に規定されている事業移管の際の労働者保護条項を、全て適用させることを要求していく。労働基準の切り下げ競争があってはならない、というのが要求の基本概念である。また、認可されたグランドハンドリング事業者全員に、団体協約の締結を求めていく。
安全も重要な検討課題だ、とETFは指摘する。規制緩和の特徴ともいえる離職率の高さと下請けの多さはリスク要因だ。航空旅客・貨物輸送の最低安全基準・安全手続きを定めた欧州共通のEU-OPSをグランドハンドリングにも適用すべきであり、改正指令も適切なレベルの安全・保安を保証するものでなければならない、というのが欧州航空労組の主張だ。
ETFは、最大2年間、運動を継続する必要があるとみている。最初の6ヵ月は組合の意識啓発と組合員の動員に費やし、ECの改正案が全面的に発表される今秋までに、第2段階を開始する見込みだ。
エドアルド・チャガスETF書記長は、運動の目的は規制緩和をただ否定することではないと強調し、「航空の安全・安定にとって、質の高いグランドハンドリングは不可欠だ、という前向きのメッセージを発信したい。それは、役立つ労働者に雇用保障と妥当な賃金・労働条件を確保することを意味する」と述べた。
ウェブサイトの開設()やビデオ、ニュースレターの発行も行われる。また、署名集め、記者会見、会議、使用者との会合、欧州議会議員に対するロビー活動、デモなども実施される見込みだ。
組合は、2010年3月に、欧州委員会の活動計画において、いわゆる「空港パッケージ」の中で「グランドハンドリング指令」の改正が行われることが示唆されていたため、同委員会の意図について警戒するようになった。その6ヶ月後に発行された同委員会の活動計画では、「空港パッケージ」が2011年に採択を目指す「戦略的取り組み」の一部に位置づけられており、改正グランドハンドリング指令の採択が2011年第2四半期に見込まれている。 |
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