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グローバルユニオン

2011年4〜6月 第42号
■パレスチナのトラック運転手
 
トラック運転手の労働環境が"劇的に改善"

パレスチナのトラック運転手を支援・組織するITFの画期的なプロジェクトについて、マリアン・パウエルが報告する。

パレスチナのトラック運転手は、イスラエルとヨルダン川西岸の国境地点で何時間も待たされる。国境を通過することは許されず、貨物の積み替えが終わるまで、猛暑だろうが極寒だろうが、6〜8時間も待たされることもある。
しかし、この耐え難き時間も、トゥルカレムではずいぶん和らげられている。ITFとパレスチナ交通運輸一般労組(GUTW)が実施するプロジェクトによって、運転手に食料と待合スペースが提供されているからだ。
このプロジェクトは11月13日に立ちあげられ、12月に本格的に稼働し始めた。最初は利用者が少なかったが、徐々に運転手がカフェで飲物や軽食を取るようになっていった、とプロジェクト・ディレクターのバセム・アンタリは語る。
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プロジェクト

「GUTWが導入したこのプロジェクトに、誰もが満足している」とアンタリは言う。「食事や飲物の料金は、地元のカフェよりずっと安い。雨が降った時、何人かの運転手が貨物にカバーをかけるため、庇の下にやって来た。雨に濡れずに作業ができるため、実にやりやすそうだった」
国境地点から、約200人が定期的にやって来る。全員が組合員というわけではない。アンタリは、このプロジェクトが立ち上げられた昨年11月からは、より定期的に運転手と話ができるようになったという。「ここで、運転手の隣に座りながら、彼らの悩みや組合への要望を聞くことにしている。最近、組合に取り組んでもらいたい問題や要求のリストをもらった」
こういったことが、組合と運転手の関係を緊密にし、組合が彼らの問題を把握するのを手助けしているとアンタリ。運転手は、組合にもっと積極的に問題を解決してほしいと思っている。彼らの懸念は、主に低賃金や生活必需品の高騰等、経済的なものだ。より良い賃金、より多くの雇用機会を望んでいる。
ユニオン・センターでの単純なサービスが、大きな違いを生んでいる。その一例が無料のFAX・コピーサービスだ。これまでは、業者や会社とファックスのやりとりをするのに、町まで出向かなければならなかった。今はここで、コーヒーを飲みながらできるのだ。
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組織化

将来的に、このユニオン・センターは、オルグの拠点として活用される。安全衛生に関するワークショップを開催したりするほか、疲労等の重要問題に関するアンケートを配布したり、ITFの国際行動日にも活発に利用できるだろう。
まだ始まったばかりだが、もしこのプロジェクトがうまくいけば、同様の取り組みを他の国境地点でもできるだろう。他の組合に比べて資源が少ないパレスチナの交運労組のためにやるべきことはたくさんある。一方、全ての組合の協力と妥協が必要であることも忘れてはならないとアンタリ。
「このような小さなプロジェクトでさえ、開始までに多くの計画や会議を必要とした。われわれの行く手には幾多の試練が立ちはだかっていた。それでも前進しようという強い意志がなかったなら、荷物をまとめてとっとと家に帰っていただろう。長期的な忍耐力がなければ、何事も成し遂げることはできない。協力なしに目的を達成することはできない」
GUTWのナセル・ユニス委員長は、このプロジェクトに感謝し、次のように述べた。「これこそ、正にITFのような国際組織がパレスチナで取り組んでほしいプロジェクト、つまり、労働者をターゲットにし、彼らのニーズに応えてくれるプロジェクトだ」
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マリアン・パウエルはトランスポート・インターナショナルの編集者
プロジェクトが実施されるまで

パレスチナの運転手支援プロジェクトは、2009年に試験的に立ち上げられた。2008年5月、バセム・アンタリがナブラスで面接を受けた後、プロジェクト・マネージャーに任命された。同月、ITFのスチュワート・ハワード書記次長、イスラエル労働総同盟(HISTADRUT)書記長、イスラエル陸軍将校(イスラエル軍との調整を担当)との間で会議を開催。同年8月、バセム・アンタリは、パレスチナ労働組合総連盟(PGFTU)委員長、ITFアラブ事務所長と共に、ITFに加盟するカナダ自動車航空宇宙交運一般労組(CAW)が実施する特別研修に参加。ラマラにプロジェクト事務所が設置された。
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運転手の意見

「私の名前はニムル・ダソウキ。運転手だ。2007年に国境が開放されて以来、ずっと国境地点の運転に携わっている。このプロジェクトはすばらしい。以前の状況はひどく、非人間的なものだった。今や、トイレや待合スペースのほか、安価なカフェも利用できる。全ての運転手のためになるプロジェクトだ。スタッフは皆親切だ。このプロジェクトは劇的な変化をもたらしてくれた。今や、われわれのことを気にかけてくれる組織があると感じられる。すばらしい事業をありがとう」
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