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グローバルユニオン

2011年4〜6月 第42号
■女性が導く組合の未来
 
女性が導く未来

女性こそ、労働組合がもつ最も貴重な資源だ。特に、女性が指導的立場や組織化を担当する場合、貴重な資源になるとセーラ・フィンケが報告する。そのような女性の強みを利用するため、ITFにできることは?

「うちの組合では女性が活躍しているし、指導部も支持してくれている」と、インドのカンドラ運輸港湾労組の執行委員を務めるシーマ・モハンは述べる。「組合の女性支援も、女性組合員の数も、日々増えている」モハンが組合に加入して10年になるが、将来の指導者候補と見込まれ、訓練を受けさせてもらっていることを幸運だと考えている。
女性リーダーの育成が恩恵をもたらすことは、既に証明されている。女性はオルグに適している、とモハンは言う。「人と関わる能力は女性の方が高い。女性の方が未組織労働者の感情に訴えるアプローチがうまい。だから、より多くの労働者をオルグできる」
客室乗務員でマレーシア航空システム従業員労組の執行委員ポーリン・リーも同意する。「女性は組合を促進し、若者を励まして声を上げさせることに長けている。嫌がらせやいじめといった若者が抱えている問題を取り上げることもできる。女性は未組織の労働者にも話しかけられる。女性は、本当にコミュニケーションを取るのが得意だ」
また、リーは、組織化とは計画をきちんと立てることだ、と次のように述べた。「運動をまき起こすのに必要なことは何かを考え、アプローチできそうな人にアプローチする必要がある。私はいつも、安全確保のため、最終的には将来のために一緒に頑張ろう、と言っている」
「女性はまた、男性を組合に引き入れるのもうまい、とバミューダ産業労組のタミ・レイは言う。レイは支部に3人しかいない女性の一人で、バミューダ初の女性のフェリー・パイロットだ。レイは、青年労働者をたきつけて組合の会議に参加させることに成功した。このことは逆の恩恵ももたらし、青年労働者が女性の問題を支持してくれるようになった」と話す。
彼女たちは、権利と職場の問題のために闘う女性が組合を強くする、という明確なメッセージを発している。ITF女性コーディネーターのアリソン・マクギャリーは、この機会を逃す手はない、と述べる。例えば、米国で実施された世論調査によると、今日では男性より女性の方が組合に加入する傾向が高いことがわかった。女性を組合に加入させることができるかどうかの秘訣は、誰がオルグをし、誰が組合を率いるかだ。組織したい相手が女性なら、組織する側も女性に共感できる女性であるべきだ」
しかし、組合を率いることは生易しくはない。ITF執行委員で、ブルガリア運輸労連のエカテリーナ・ヨルダノーバ委員長は次のように説明する。「女性の指導者は毎日、全力投球しなければならない。もっと頑張らねばならないし、男性と同じくらいできることを常に証明し続けなければならない。男性の二倍の努力をして、二倍の勇気と自信をもたなければならないが、そうする価値はある」
ITFに加盟する女性の指導者たちは皆、あることに同意する。つまり、生き残るには戦略が必要だという点だ。また女性同士の支え合いも必要だ。「私の組合では、どこに女性がいるかを把握し、誰が指導的立場につく準備があるかを考える。そして、会議では必ず女性を支え、男性にも女性を支援してくれるようにロビイングする。女性を指導的立場に就かせるためには、下準備が必要だ。そして、いざ女性が指導者になったら、その仕事をサポートする」と南アフリカ運輸合同労組(SATAWU)海事部門のヴェロニカ・メサトイワ書記は述べる。
このような共通の体験談の報告を受け、ITFは加盟組合の女性を支援し、指導するための新たな取り組みを行う計画でいる。これには、いくつかの要素がある。「変化を導く」というテーマのもと、一週間のスクールを開催することも含まれる。このスクールはITFとハーバード労働組合プログラムの共催で、スクール後のツイニング・プログラムやメンター・プログラムも併せて行われる。同プロジェクトはITFの地域レベルで行われ、指導者とオルグ担当者を育成する。リーダーシップ・スキルに関する電子訓練モデュールも、ITFのウェブサイトで利用できるようになる予定。
ベルーギー運輸労組(BTB)のモニク・バービークは、港湾部門で主要な役割を果たしており、ITF港湾部会の女性代表も務める。バービークもまた、ITFの支援を最大限に活用し、情報を共有することに熱心だ。「ITFの支援を受け、組合のジェンダー関係の活動を強化し、それにより組合の構築が可能となった」と、バービークは述べる。
2009年7月にガイアナ事務通信労組の書記長に就任したアン・アンダーセンも、この計画を歓迎する。「私自身がITFの訓練の賜物だと胸を張って言える」とアンダーセンは述べ、女性たちに国際活動の経験を授け、女性活動を推進する上で、ITFがいかに重要な役割を果たしているかを強調した。
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女性の指導者育成のためのITF活動に関するより詳細な情報は、ITFウェブサイトを参照するか、アリソン・マクギャリー(mcgarry_alison@itf.org.uk)までご連絡を。

セーラ・フィンケはITF研究・政策・通信部の責任者。
組合が闘い続けなければならない理由 − グローバルな金融危機が女性にもたらした影響

2010年、男性の失業者数は全世界で1億1840万人に上り、2007年から1700万人も増加した。一方、2010年の女性の失業者数は8650万人で、2007年から1060万人増加した。世界的に見て、失業率の悪化という意味では、金融危機によって女性より男性の方が大きな影響を受けたが、より大きな視野で考えると実態は以下の通りだ:
働く女性全体に占めるサービス部門で働く女性の割合は、男性より大きい。2009年には女性46.8%に対し、男性は40.7%だった。一方、働く女性全体に占める工業部門で働く女性の割合は15.6%で、男性の26%に比べて低い。多くの国の政府が、2011年の歳出を削減しようと計画している。削減の対象となるのは主に女性の割合が多い公共部門であり、これにより女性の雇用率はさらに下がるだろう。税収が下がり、予算が削減されれば、教育、訓練、育児を含む社会保障などの公的支出の削減につながるだろう。
女性の方が、パートタイム労働、低賃金労働、責任の低い労働に従事している割合が高い。大黒柱の男性が仕事を失うと、女性がインフォーマル労働や低賃金の職に就いて家計を支えざるを得なくなる。つまり、女性はますます劣悪な労働条件で働かざるを得ず、より搾取されやすくなる。
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出典:2011年ILOグローバル雇用動向
女性指導者からのアドバイス

組合の女性指導者たちからの助言:
「政策決定に発言権を持てるようにすることが、自分を変える。自分が関わることで組合を強化し、目立つ存在になること。時事問題を常に追っていれば、自分や自分の組合に影響を及ぼす問題に関して賢い決定ができるようになる」
「何かを成し遂げたいなら、それに向かって進むこと。不可能はないが、大きな努力が必要だろう」
「下からの積み上げが肝心。トップレベルからスタートしようとしないこと。地元の組合でのボランティア活動から始めてもいい。そこから組合の機構や政治的な駆け引きについて学ぶこともできる。最も重要なことは、昇進していく中で自分を導いてくれる良き指導者を探すことだ」
「自分に自信をもつこと。組合員が求めているのは何かを悟り、その実現のために闘うこと」
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