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No.27/2013 |
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シーフェアラーズ・ブルテン2013年号をお読みいただき、ありがとうございます。今年は海で働く全ての者にとって極めて重要な年となります。船員の権利章典であるILO(国際労働機関)の2006年海上労働条約が今年8月に発効するからです。これにより、全ての船員が実質的な生活の改善を保障されます。他組織を含め、ITFやITFの加盟海事労組がこれまで10年以上に及び努力を続けてきたかいあり、やっとここまで来ることができました。今後どのような変化が起きても、ITFは前線に立って船員の利益が確実に保たれるよう、引き続き努力していきます。
例年通り、昨年は海事労働者にとって課題の多い年でしたが、ITF加盟組合は大きな勝利も収めてきました。
ITFの活動の中心は労働者の権利の擁護にありますが、加盟組合の中でも最も強い組合を守るために闘わなければならない事例がますます増えています。強い組合は商業的利益を脅かす存在であるため、企業はあらゆる手段を使って強い組合を弱体化させようとするのでしょう。2012年には、モロッコの港湾労組、UMTのサィード・エルハレヒが組合員を動員し、搾取されていた船員を支援したため、投獄されました。ITFは数か月にわたる運動の末、エルハレヒの釈放を確保しました。この例から、組合を弱体化させるためにはいかなる手段にも出る人間がいることが明らかになりました。また同時に、労働者が団結すれば結果を出すことができることも教えられました。
今後も多くの課題が待ち受けています。船主との新たなグローバル交渉が間もなく開始しますが、ITFはFOC船に乗り組む船員の賃金と労働条件を守り、改善するため、全力を尽くしていきます。港湾では、自動化や民営化、新自由主義的政策のもと、強い組織労働者を攻撃しようとする使用者の試みを再び目の当たりにさせられています。
これらの闘いで勝利を収めるためには、海運産業だけではなく、交通運輸産業全体を通じて、またそれを超えて連帯する必要があります。だからこそ、ITFは多くの労力を費やし、サプライチェーンに沿った組織化に集中しているのです。団結は力です。ITFは船員と港湾労働者の団結のもとに設立されました。しかし、港湾を超え、その先に目を向けることにより、より大きな労働者の力を結集できるのです。
書記長代行
スティーブ・コットン |
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