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グローバルユニオン
No.27/2013
■船員の募集
 
騙されないで

詐欺師は容赦してくれない。被害者がいかに貧乏か、どれだけ必死に職を探しているかなど気にもとめない。
誰かから金を巻き上げる機会があるなら、何度でも同じ手口を繰り返す。ここでは騙されない方法を伝授しよう。


Eメールやインターネットによって広がる可能性を味方につけ、政府や司法の無作為をいいことに、船員の募集をめぐる詐欺はかつてなかったほど増えている。どんなに貧乏でも詐欺の標的になり得る。
どうすれば騙されずに済むのか?最善の防御法は疑いをもち、情報を入手して常識で考えることだ。信じられないほどうまい話は大抵、信じない方がいい、というのが鉄則だ。
詐欺の手口にはいくつかのパターンがあるが、共通点は、「貨物船、クルーズ船、油田掘削施設で賃金の高い仕事を提供する」というものだ。「仕事をするのに資格は必要ない」と言ってくるかもしれない。すべての事例に見られる特徴は、その仕事に就けるかどうかは賄賂や料金を支払うかにかかっている、という点だ。もちろん、そんなにあからさまな表現は使わないだろうし、場合によっては、あなたが一応その仕事を獲得して契約書にサインするまで、相手はそのことを黙っているかもしれない。派遣料、登録料、健康診断料、パスポートの処理費用、(よくあるパターンでは)英国入管庁への支払い、など表現方法は様々だ。向こうで払い戻すから、船に到着するまでの航空券代金を支払ってくれと言われ、払っても、まず払い戻されることはない。一回でも何らかの「料金」を支払ったら最後、次の「料金」の支払いを迫られる。ぎりぎりのタイミングでパスポート登録をする費用、銀行送金費、空港手数料、通貨手数料など、次から次へと要求される。既に多くの投資を行ってしまった気の毒な犠牲者たちは、高給の仕事が間もなく手に入り、様々な料金の払い戻しも間もなく行われると信じ、これが最後だからと言われ続け、次々と絞り取られていく。
似たような手口に「貨物船の乗組員に今すぐ空きがあり、あなたは応募する資格があります」というEメールが送られてくるというものがある。その船はしばらくの間、ナイジェリアのハーコート港であなたの到着を待っていることになっているかもしれない。他の国にいるその他の犠牲者とともに、ハーコート港の銀行に料金を支払わされる。そうこうするうちに詐欺がばれ、詐欺師たちは他の国に拠点を移したふりをする。よく使われる偽の住所がロンドンの住所だが、実際に詐欺師が住んでいるのは遥か遠く、数千マイル離れた場所だ。パスポート登録料、入国料などと言い訳をつけて、職を探す船員から金を巻き上げる。
また別の手口には、履歴書を将来の雇い主に送るといって手数料を取るものがある。職が見つからなければ、料金は返金するとの保証つきだが、通常、金も職も手に入らない。無料で履歴書を送るように誘うウェブサイトにも注意が必要だ。個人情報が盗まれる可能性がある。後日、あなたの「雇用者」と名乗る者からパスポート番号と船員証明書番号かそれらのコピーを送るように言われた場合は要注意だ。

トラブルに巻きこまれない
頼んでもいないのに職を提供された場合は信用しない方がいい。信憑性のありそうなウェブサイトやレターヘッド、格式高そうな住所も信用すべきではない。自分自身を信じ、「うますぎてありそうもない話は本当に存在しないのだ」という認識を信じよう。船員の仕事の募集に伴い前払いを要求することは、国際海洋法では違法だということを肝に銘じよう。もし、航空券代金や登録料を支払うように言われたら、高額の給与を支払おうという会社がなぜそんな費用が支払えないのか考えてみよう。合法な会社なら、そのような支払いを要求することはない。
私書箱の利用や偽の住所や電話番号、実在の会社の名前を使っているが、住所が違うケースなどを疑ってみよう。仕事を探している際には必ず、会社と船舶の名前のあとに「詐欺」「不正行為」といった言葉を入れてグーグルで検索してみよう。それで何も出てこなかったとしても、100%確信ができない場合は、いかなる段階でも金銭の支払いを要求されないことを確認するまで応募は控えよう。そして、自国の船員組合かITFに助言を求めよう。
何よりも大事なことだが、船員の仕事を獲得するためにどのような理由であれ金銭を支払うべきでないことを覚えておこう。何かおかしいと感じたら、あるいはここに書いてある手口に似たものを感じたら、近づかない方が賢明だ。

船員の募集に関する詐欺についてのより詳細な情報はwww.itfseafarers.org/job_scams.cfmを参照のこと。
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職業斡旋業者に騙されました

インターネットで見た募集広告はとても魅力的だった。船の名前は「スピリット・オブ・アドベンチャー号」だった。
斡旋業者は3,000ポンド(4,800米ドル)を要求してきた。仕事を得るために支払うにしては多額だと思ったが、素晴らしく高い賃金を保障していた。仕事を探し始めて随分経っていた時だった。
そんな大金は持っていなかったので、銀行からお金を借り、バイクを売った。全部で4回斡旋会社に支払いをした。
あちらもプロっぽかった。私に採用通知書、雇用契約書を送り、現在、英国の入国管理庁に連絡を取っていると通知してきた。だがそれは全てでまかせだった。
疑いをもったこともあったが、とにかく仕事を探していたので、進むしかなかった。全てがうまく行って、最終的に仕事を得られることを期待していた。
それ以来、私の状況は惨憺たるものだ。経済的な面で、家族に破滅的影響をもたらした。今も銀行から借りた借金の返済に追われている。
今現在も斡旋業者にEメールを送り、支払った金を返すよう求めているが、返事は来ない。今では人を信用しなくなった。求人広告やEメール、とにかくありとあらゆる物に用心するようにと、妻から絶えず言われている。
今後どうなるのか分からない。依然として仕事はない。とにかくどんな仕事でも探すのは本当に大変だ。今は仕事を探すためにジャカルタに来ている。家族や家から遠く離れ、とても辛い。船に乗って一生懸命働く用意がある。何か仕事を得られるように願っている。
他の船員にアドバイスができるとしたら、とにかく用心すること、特にインターネットでの職探しには注意するように言いたい。全てが目に見えたままではない。後悔しないためにも、何事にもすぐに飛びつくのはやめた方がいい。
ユスフ・カサ−AB/コック(インドネシア人、35歳)
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